若年者でも脂肪蓄積に伴ってアディポネクチンの分泌が低下していることが分かった。生活習慣予防健康調査に参加した高校生男子200人余を対象にした調査から明らかになったもので、大阪教育大保健体育教育講座の宮井信行氏らが10月26日、日本高血圧学会のポスターセッションで発表した。

 宮井氏らは、高血圧や糖尿病、リポタンパク異常の発症過程で重要性が明らかになりつつあるアディポネクチンに焦点を当て、若年者を対象に肥満や代謝疾患因子との関連を検討した。

 対象は1996年から2005年までに実施した生活習慣予防健康調査に参加した高校生男子(161±0.8歳)で、循環器疾患や糖尿病、高脂血症の既往歴のない221人。

 これを小児肥満判定基準に基づき、体脂肪率25%以上の肥満群(27人)と25%未満の非肥満群(194人)に分けて比較検討した。

 その結果、肥満群では非肥満群に比べて血中アディポネクチン濃度が有意に低かった(4.9μg/mL対8.3μg/mL、p<0.001)。さらに、血中アディポネクチン濃度は、BMIや体脂肪率、ウエスト身長比、腹膜前脂肪厚などの各種肥満判定指標と有意な負の相関を示したばかりか、この相関は肥満群でより強い傾向がみられたという。

 続いて、様々な代謝疾患因子を従属変数とし、血中アディポネクチン濃度を独立変数として重回帰分析を行ったところ、年齢と身長を共変量として補正したモデルでは、収縮期血圧や拡張期血圧、HDL-CやTG、動脈硬化指数、HOMA指数などで有意な関連を認めた。

 これらの結果から宮井氏らは、若年者でも脂肪蓄積に伴ってアディポネクチン分泌の低下が確認できたとし、これが血圧上昇や耐糖能、さらにはリポタンパクの軽度異常などに影響を及ぼしてくると考察した。