アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を基礎薬とした治療では十分な降圧が得られなかった高血圧患者に、少量の降圧利尿薬を追加したところ、有効な降圧が得られることが分かった。琉球大医学部循環器系総合内科の崎間敦氏らが25日、日本高血圧学会のポスターセッションで発表した。

 崎間氏らは、国内外の高血圧診療ガイドラインで少量降圧利尿薬の有用性を指摘していることから、少量降圧利尿薬の併用を試み、その血圧管理効果を調べるとともに、代謝系への影響を検討した。

 対象は、琉球大医学部附属病院第三内科または敬愛会ちばなクリニックの外来に通院中で、ARBを基礎薬とする降圧治療を受けている本態または腎実質性高血圧患者308人。

 外来主治医の判断で、少量または極少量の降圧利用薬を追加あるいは他剤の増量もしくは追加を行った。追加投与6カ月後の血圧管理の状況と代謝面への影響を調べた。

 その結果、利尿薬追加群は、利尿薬非追加群(他剤の増量もしくは追加群)と比較して、外来収縮期血圧値が有意に高く(p<0.0001)、観察前の服薬錠数も有意に多かった(p<0.05)。

ポスター発表の会場。あちらこちらで記録を取る人の姿が見られた。

 追加投与6カ月後の血圧は、利尿薬追加群、利尿薬非追加群とも有意に降圧した(p<0.0001)。また、利尿薬追加群の収縮期血圧の降圧度は、利尿薬非追加群に比較して有意に大きかった(p<0.01)。

 代謝系への影響は、血清尿酸値は軽度だが有意に上昇した(p<0.05)。ただし、糖や脂質代謝、血清カリウム値に悪影響は見られなかった。

 これらの結果から崎間氏らは、「ARBと少量の利尿薬の併用療法によって、有効な降圧が得られた」と結論。極少量の利尿薬追加でも有効な症例があったことから、日本人における利尿薬の適正用量について今後検討が必要と考察した。