第30回日本高血圧学会会長を務める瀧下修一氏(琉球大医学部循環系総合内科学教授)

 第30回日本高血圧学会総会が25日、沖縄で開幕した。会長を務める瀧下修一氏(琉球大医学部循環系総合内科学教授、写真)は開幕に当たり、「今学会を通じて、国民すべてに高血圧学の進歩を明らかにし、その成果を還元する必要がある」と表明した。

 早朝の開幕の辞に登壇した瀧下氏は、沖縄での開催が1991年の第14回大会以来、2回目となることを紹介。当時は演題数50あまりで1会場制と規模も小さく、運営も全くの手作りで行ったと振り返った。それに比べて今回は演題数で578題も応募があったとし、この十数年の高血圧学会の成長ぶりを称賛した。その上で、「本総会において、国民すべてに高血圧学の進歩を明らかにし、その成果を還元する必要があると考えています」などと今学会の意義を語った。

 全体のプログラムでは、特に食生活の面に着目した点を強調。長寿県として有名であった沖縄が危機に直面している現状を引き合いに出しながら、「生活習慣の欧米化とそれに伴なって肥満、恐らくはメタボリックシンドロームが著増している」との見解を示した。この問題意識のもとに「栄養」をテーマにしたシンポジウムを設けたとし、「栄養学の専門家らとの連携を図るとともに、食生活という側面からのアプローチで高血圧や肥満を含めた生活習慣病の予防への攻略を考えたい」とした。

 なお長寿沖縄の危機については、会長講演で瀧下氏自らが「沖縄疫学研究と長寿沖縄の危機」と題して論じる予定だ。

 高血圧学の進歩という点では、治療ガイドラインJSH2004の発表以来、わが国独自の研究を含めて複数の臨床大規模試験の成績が出たことを評価。ガイドライン改訂に向けてその方向性を考えるシンポジウム「新JSHガイドライン」を企画した点を力説した。

 このほか瀧下氏は、病態・診療における性差の考慮も重要な課題とし論議の進展に期待した。同時に、高血圧の発症から心血管系への負荷、臓器障害発症・進展のメカニズムの基礎的研究成果の発表にも期待を表明し、臨床との相関を高めるという意味で重要と位置づけた。

 最後に、今まで以上にコメディカルの参加を期待しているとし、高血圧学の進歩の各領域への浸透を図ることで、「高血圧研究の推進とその成果の実践に向けて発信できる総会にしたい」などと締めくくった。