鴨島川島クリニックの水口隆氏

 鴨島川島クリニック(徳島県)では、血液透析患者を対象に遺伝子組換えヒトエリスロポエチンrHuEPO)製剤からC.E.R.A.Continuous Erythropoietin Receptor Activator)への切替維持投与方法を検討した2つの臨床試験に参加した。同クリニックの水口隆氏(写真)らは、同施設におけるC.E.R.A.の臨床試験成績について検討し、その結果を横浜で開催された日本透析医学会(JSDT2011)で報告した。

 水口氏らの施設が参加したのはC.E.R.A.の後期第II相試験と第III相試験で、後期第II相試験は28例が、第III相試験には10例が登録された。

 後期第II相試験に参加した28例の背景は平均年齢60.5±9.1歳、男性21例、平均透析歴10.6±8.7年で、原疾患は慢性糸球体腎炎が14例、糖尿病性腎症が9例だった。一方、第III相試験に参加した10例の背景は平均年齢60.8±10.7歳、男性4例、平均透析歴7.1±7.4年で、原疾患は慢性糸球体腎炎が3例、糖尿病性腎症が1例などだった。

 後期第II相試験では本剤を、rHuEPO製剤の使用量が4500IU未満の低用量群では50、100、150μg、4500IU以上9,000IU以下の高用量群では100、150、200μgのいずれかの用量で投与する群に割り付け、固定用量で4週に1回、8週間投与した。その後、目標Hb値を10〜12g/dLとして本剤の用量を調節しながら40週間投与した。

 一方、第III相試験では本剤を、rHuEPO製剤の低用量群では100μg、高用量群では150μgで投与し、固定用量で4週に1回、8週間投与した。その後、目標Hb値を10〜12g/dLとして本剤の用量を調節しながら40週間投与した。

 その結果、後期第II相試験でも第III相試験でも、48週にわたりHb値はほぼ10.0〜12.0g/dLの範囲で推移し、38例中31例(81.6%)で安全に維持投与が可能であった。また、本剤を固定用量で投与した切り替え後の8週間では、38例中29例(76.3%)で、Hb値が切り替え前の値±1.0g/dLの範囲に維持された。なお、切り替え24週後、48週後の目標Hb値の維持率はいずれも80.6%と良好であった

 また、性別や年齢、原疾患、Hb値、rHuEPO製剤投与量、網状赤血球量、鉄飽和率、フェリチン値などの患者要因、C.E.R.A.初回投与量、網状赤血球変化率、投与量変更回数、鉄剤投与などの治療要因がHb変動に影響を及ぼすかどうかを検討したが、有意な影響因子は投与量変更回数のみであった。

 なお、本剤投与中に高血圧が2例で発現したが、従来のrHuEPO製剤で認められるものと同様の事象であった。

 このようにC.E.R.A.はrHuEPO製剤から直接4週に1回投与に切り替えても、長期にわたり安定した目標Hb値の維持が可能であった。水口氏は、本剤は長時間作用型の新規エリスロポエチン製剤として腎性貧血の治療に大きく貢献することが期待されると述べ、今後の課題としては、安定したHb値を維持するためには鉄剤投与を含めた適切な維持投与方法の検討が重要であると指摘した。

(日経メディカル別冊編集)