信楽園病院腎センターの宮崎滋氏

 C.E.R.A.Continuous Erythropoietin Receptor Activator)は長時間持続型赤血球造血刺激因子製剤である。横浜で開催された日本透析医学会JSDT2011)では、信楽園病院腎センター宮崎滋氏(写真)らが、同施設における血液透析患者を対象としたC.E.R.A.の治験データを紹介し、初期投与と遺伝子組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)製剤からの切り替え投与について検討した結果を報告した。

 宮崎氏らの施設からは初期投与試験(第II相試験)に6例、維持投与試験(1)(第II相用量設定試験)に6例、維持投与試験(2)(第III相一般臨床試験)に5例が登録された。平均年齢は53歳、男性が11例、原疾患は慢性糸球体腎炎が11例、糖尿病性腎症が4例を占め、透析歴は8.6年であった。

 初期投与試験では、投与中のrHuEPO製剤を1〜8週間休薬し、Hb値が9.5g/dL未満となった患者が対象となった。本剤25、50、75μgのいずれかを2週に1回投与する群に割り付け、Hb値が12g/dLを超えるまで最大16週投与した。4週以降にHb値が8g/dL未満の症例は投与を中止した

 その結果、75μg群では6〜8週後にHb値が12μg/dLを超えてしまい、25μg群ではHb値の上昇が認められなかったことから、本剤の初期投与量は50μgが適量だと考えられた。なお、網状赤血球は本剤投与1週後にピークとなり、その程度は本剤の投与量に依存していた。なお貧血が改善した後においても収縮期血圧には有意な変動は認められなかった。

 維持投与試験(1)では、対象をrHuEPO製剤の使用量が4500IU未満の場合には本剤50、100、150μg、4,500IU以上の場合には本剤100、150、200μgのいずれかを投与する群に割り付け、固定用量で4週に1回、8週間投与した。その後、Hb値が10〜12g/dLを維持するように本剤の用量を調節しながら40週間投与した。

 維持投与試験(2)では、切り替え時の本剤の用量をrHuEPO製剤の使用量が4500IU未満の場合には100μg、4500IU以上の場合には150μgに固定し、維持投与試験(1)と同様の検討を行った。

 維持投与試験に参加した11例では、網状赤血球は本剤投与1週後にピークとなり、それに少し遅れてHb値が上昇するサイクルを繰り返し、平均Hb値は11.0〜12.0g/dLの範囲に維持された。また、血清フェリチン値は投与開始後に緩徐に低下し、鉄が有効な造血に使用されていることが示唆された。

 維持投与試験(2)に参加した5例のうち1例は、本剤固定用量の投与期間にHb値が上限値を超えて上昇したため、3回目の投与からは減量したが、Hb値が安定するまでにかなりの期間を要した。このことから宮崎氏はHb値が上限値あるいは下限値に近づいたときには早めに本剤の用量を変更することが重要だと指摘した。

 このように本剤は、これまでのエリスロポエチン製剤に比べて投与間隔を大幅に延長しても、安定した貧血改善効果が得られることが示された。宮崎氏は「本剤は腎性貧血治療の新たな選択肢となりうる薬剤だと考えられる」との見解を示した。

(日経メディカル別冊編集)