東京医科大学八王子医療センター高齢診療科の金谷潔史氏

 アルツハイマー病(AD)患者を対象に、ドネペジルにメマンチンを追加投与した場合の有用性を検討した結果、ドネペジル単独投与に比べて、前頭葉、前部帯状回、後頭葉にかけて広範囲に血流量が上昇することなどが確認された。11月8日から10日まで長野県松本市で開催されている第32回日本認知症学会(JSDR2013)で、東京医科大学八王子医療センター高齢診療科の金谷潔史氏らが発表した。

 対象は、ADの診断基準NINCD-ADRDAを用いてADと診断された患者180人。アリセプト単剤投与群142人、メマリー単剤投与群13人、アリセプト+メマリー併用群25人。

 単独投与群は、投与直前と投与6カ月後に、併用群はメマンチン追加投与直前と投与6カ月後に、それぞれADAS-Jcog(見当識、記憶、言語機能、行為・構成能力についてみるための検査)を行い、総得点、下位項目を前後で比較検討した。

 脳血流量については、投与前と投与後6〜7カ月後に99mTc-ECDを用いてSPECT検査を行い、投与前後の脳血流量の相対変化をSPM8解析画像を用いて比較検討した。

 その結果、ドネペジル+メマンチン併用群では、ADAS下位項目での喚語困難において改善傾向を示した(P=0.083)。

 脳血流量については、ドネペジル単独投与群と比較してメマンチン併用群では、左頭頂〜後頭連合野に加えて、相乗効果と考えられる両側直回、眼窩回から前部帯状回にかけて広範囲な領域に血流上昇を認めた。

 金谷氏は、「ドネペジルにメマンチンを追加投与することで、単独では得られなかった喚語困難において改善傾向が見られた。また脳血流量も広範囲に上昇が認められ、併用治療の有用性が示唆される結果が得られた」と語った。