2007年から手術不能な進行・再発大腸癌に対し、分子標的薬のベバシズマブが使用できるようになった。そこで、17施設が参加する北海道消化器癌化学療法研究会(HGCSG)では、ベバシズマブイリノテカンS-1療法の安全性と有効性を確認するフェーズII臨床試験を計画、この中間評価を北海道大学腫瘍センターの小松嘉人氏が、第46回日本癌治療学会総会で発表した。

 試験デザインは、ベバシズマブ5mg/kg、イリノテカン100mg/m2を1日目と15日目に投与し、体表面積当たり80〜120mg/日のS-1を14日間投与14日間休薬を1コースとした。目標症例数は50人で、主要評価項目は有害事象の発現頻度とその程度、副次評価項目は生存期間や奏効率などとした。中間評価では、25人での安全性および治療完遂状況について、登録開始から1年間のデータを集計して検討した。

 25人の患者背景は、男性12人、女性13人、平均年齢63歳。全員全身状態は良好で、結腸癌が16人、直腸癌が9人だった。肝転移が17人、肺転移が11人、リンパ節転移が9人、腹膜播種が3人だった。治療完遂状況については、フォローアップ期間中央値111日(14〜241日)で、治療中止となったのは5人で、3人は有害事象、2人は患者拒否によるものだった。このうち、S-1+イリノテカン療法特有の有害事象によるものは少なく、ビリルビンの上昇、口内炎、腸炎、高血圧などが原因だった。

 有害事象については、グレード3以上の好中球減少が36%、下痢が12%、ヘモグロビン減少、ビリルビン上昇、疲労、高血圧がいずれも4%だった。グレード4の有害事象は、好中球減少2人だった。小松氏は、「有害事象はいずれもコントロール可能であり、忍容できる治療法と考えられた。現在38人が登録されており、今後50人を集積し、有効性および安全性を確認したい」と述べた。

 なお、同じベバシズマブ、イリノテカン、S-1の3剤を用いた臨床試験としては、国立がんセンター中央病院の山田康秀氏を中心としたグループが、ベバシズマブ7.5mg/kgとイリノテカン150mg/m2を1日目に、体表面積当たり80〜120mg/日のS-1を2週間投与1週間休薬というサイクルを1コースとするSIRB療法で、多施設共同試験を行っている。こちらも中間報告が示された段階で、ともに最終結果が待たれる。