転移性腎細胞癌で、ソラフェニブスニチニブはいずれも有効だが、スニチニブでは骨髄抑制が急に発症しやすいため採血が必要であり、ソラフェニブでは高血圧が見られるので患者自身に血圧を測定してもらうなど、使用に当たって注意すべきポイントが分かってきた。近畿大学医学部泌尿器科の植村天受氏らが、10月30日から11月1日に名古屋市で開催された第46回日本癌治療学会総会で発表した。

 ソラフェニブについては、29人の結果が報告された。患者の年齢中央値は61歳、前治療は腎摘術が27人、サイトカインが25人だった。ソラフェニブを当初は200mgを1日2回投与し、保険適応後は400mgを1日2回投与した。治療は中央値で5.8カ月(0.5〜22.1カ月)継続され、その間、減量を14人に、休薬を6人に行った。

 グレード3以上の有害事象は、リパーゼ上昇が4人(14%)に、肝機能障害が3人(10%)、手足皮膚反応が2人(7%)、高血圧が1人(3%)に見られた。グレード2以下は、手足皮膚反応が13人(45%)、高血圧が14人(48%)、脱毛が10人(35%)、疲労が9人(31%)だった。

 ソラフェニブの有効性は、CRが0人(0%)、PRは3人(10%)、SDが13人(45%)に認められた。

 一方、スニチニブは21人に投与され、年齢中央値は62歳、前治療は腎摘術が20人、サイトカインが14人、ソラフェニブが8人だった。スニチニブ50mgを1日1回、4週間投与して2週間休薬した。治療継続期間の中央値は4.8カ月(0.8〜25.5カ月)、減量が12人、休薬が14人に行われた。

 また、8人がソラフェニブから移行していたが、その理由は半分の人が進行によるもので、半分が高血圧や疲労、肝機能障害、手足皮膚反応、脱毛といった有害事象によるものだった。

 スニチニブの有害事象は、評価が可能だった18人で、グレード3以上は、血小板減少が8人(44%)、白血球減少が6人(33%)、リンパ球減少が4人(22%)、好中球減少が4人(22%)と、骨髄抑制が強いことが示された。

 またグレード3以上の甲状腺機能低下が2人(11%)で、このほか疲労が5人(28%)、下痢が4人(22%)、高血圧が2人(11%)などだった。

 スニチニブのCRは0人(0%)、PRは4人(22%)、SDが9人(50%)に見られた。

 これらの経験を踏まえ、植村氏は、スニチニブの使用において、骨髄抑制は無症状で急に発症するため、採血が必要であること、甲状腺機能は必ずチェックするといった注意点を述べた。ソラフェニブでは、高血圧は患者自身に測定してもらうこと、手足皮膚反応はひどくなる前に減薬あるいは休薬することとした。また下痢などの消化器症状は、減薬や休薬で早期に回復すると話した。