複数の化学療法後に再発した卵巣癌で、ゲムシタビン単剤投与によって6割の患者で臨床効果が得られ、無増悪生存期間が6カ月以上の人では、白金系製剤やタキサン系製剤への感受性が回復している可能性も見られた。10月30日から11月1日に名古屋市で開催された第46回日本癌治療学会総会で、千葉大学医学部附属病院産婦人科の楯真一氏らが発表した。

 卵巣癌治療ガイドラインでは、再発卵巣癌で前化学療法から再発までの期間が6カ月以上の再発の場合は白金系製剤に感受性があるが、6カ月未満の再発の場合は白金系製剤に抵抗性であると考えられ、ゲムシタビンなど白金系製剤と交叉耐性がない薬剤の単剤投与が勧められている。

 楯氏らは、卵巣癌と腹膜癌で2種類以上の化学療法を経験し、最終治療日から6カ月以内の再発または進行した患者を対象に、救援化学療法(salvage chemotherapy)としてのゲムシタビンの有用性を検討した。

 2002年4月から2008年2月までに23人が登録された。28日おきにゲムシタビン750mg/m2を1、8、15日目に投与し、病気進行まで継続した。グレード3以上の血液毒性が見られた場合は、600mg/m2、300mg/m2、150mg/m2と減量し、血液毒性がグレード1の場合は900mg/m2まで増量し、22日目の投与も追加した。

 その結果、ゲムシタビンの投与回数は中央値で3コース(1〜14コース)、投与量の中央値は705mg/m2だった。8人で投与量が減量され、5人で増量された。23人中1人で全身性皮疹のため投与が中止された。

 グレード3/4の有害事象は、白血球減少が27.3%、好中球減少が36.4%、貧血が18.2%、血小板減少が13.6%に見られたが、「投与量の減量で投与の継続は可能だった」としている。

 評価可能だった22人で、進行しなかった人の割合(CR+PR+SD)は59.1%(13人)で、完全奏効(CR)は0%だったが、部分奏効(PR)は18.2%、安定(SD)が40.9%だった。また無増悪生存期間(PFS)は6カ月以上が36.4%(8人)を占め、進行した9人のPFS中央値は1.6カ月だが、進行していない13人では7.9カ月と、6カ月の違いが見られた。

 また、PFSが6カ月以上の8人のうち6人は、ゲムシタビンが無効となった後に、白金系製剤やタキサン系製剤の化学療法を受けた。その結果、4人でCR/PRが認められ、「白金系製剤またはタキサン系製剤に対する感受性が回復していた」という。

 白金系製剤やタキサン系製剤を使用しない期間が6カ月以上維持できれば、それらの薬剤への感受性が戻る可能性があり、その際に、「ゲムシタビンは脱毛や吐き気などの副作用が少なく、治療を継続しやすい」と楯氏は話した。