胆道閉塞を伴う進行膵癌に対し、胆道ドレナージ下の化学療法継続が、感染症の増加などといったマイナス面を差し引いても有用であることが分かった。第46回日本癌治療学会総会で、東京大学消化器内科の中井陽介氏が報告した。

 対象は、進行膵癌147人で、胆道閉塞による内視鏡下メタリックステント留置の有無とゲムシタビン投与の有無によって4群に分けた。ステントなしゲムシタビン投与52人、ステント留置ゲムシタビン投与36人、ステントなしゲムシタビン投与なし27人、ステント留置ゲムシタビン投与なし32人だった。患者背景には、ゲムシタビン投与を行わなかった群に高齢で全身状態の悪い患者が含まれるなど、違いがあった。

 ゲムシタビン投与の有無により生存期間を比較したところ、ゲムシタビン投与群10.1カ月、投与なし群4.8カ月と有意差がみられた(p<0.001)。ゲムシタビン投与群の生存期間をステント留置の有無で比較したところ、差はなかった。

 ステント留置の有無によるゲムシタビン投与の有害事象について検討したところ、好中球減少や貧血、消化器症状といった有害事象は、いずれもステント留置の有無による差はなかった。感染症については、胆管炎のみが、ステント留置群53%、ステント留置なし群0%と大きな差があった。ゲムシタビン投与を行わないステント留置群では胆管炎の発生率は41%で、これよりもやや多かったものの、有意差はなかった。

 ゲムシタビン投与の有無でのステント留置による合併症についても、特に両群に差はみられなかった。中井氏は、「進行膵癌に対するステント留置は、胆管炎の増加や早期閉塞といった関連合併症の多さが指摘されるが、化学療法による生存期間の延長は明らかであり、ステント交換による再開存などで対応できるのではないか」とした。