転移のある尿路上皮癌患者にゲムシタビンシスプラチンの併用療法(GC療法)が高い効果を持つことが報告された。また、前治療なしの患者はもちろん、前治療がありの患者でも十分な治療効果が得られた。しかし、前治療に抵抗性の患者には腫瘍縮小効果は少なく、別のレジメンが必要であることも明らかとなった。成果は10月30日から11月1日まで名古屋市で開催された日本癌治療学会で、愛媛大学大学院医学系研究科泌尿器制御学分野の丹司望氏によって発表された。

 丹司氏らは2002年7月から2008年9月までに転移のある尿路上皮癌と診断された患者でGC療法を臨床研究として行った69人のデータを発表した。

 患者には基本的に1000mg/m2のゲムシタビンが1日目、8日目、15日目に投与され、シスプラチンは70mg/m2を2日目に投与された。好中球数が500個/μL以下、血小板数が5万個/μL以下のときは8日目と15日目のゲムシタビン投与をスキップした。1サイクルは28日間で2コースから6コースを施行した。クレアチニンクリアランスが低下した場合には、その程度に応じてシスプラチンの投与量を減量した。

 患者の年齢中央値は72歳(45-84)で、フォローアップ期間の中央値は48カ月(5-82)。原発巣は腎盂が17人、尿管が20人、膀胱が31人、前立腺が1人だった。また前治療なしが31人、ありが38人(抵抗性7人含む)だった。前治療に抵抗性だった患者はMVAC療法が5人、MEC療法が2人だった。前治療を受けた患者はMVAC療法が7人、MEC療法が3人、動脈内静注療法が2人、GC療法が19人だった。転移部位は所属リンパ節が45人、遠隔リンパ節が20人、肺が21人、肝が8人、骨が7人だった。

 その結果、前治療なしの31人では、完全奏効(CR)が5人、部分奏効(PR)が15人で奏効率は64.5%だった。一方、前治療抵抗例の7人ではPRが1人のみで奏効率は14.3%と有効性は低かった。GC療法以外を前治療に行った患者では12人中CRは3人、PRは4人で奏効率は58.3%とセカンドラインとしても、GC療法は高い効果を示した。一方、GC療法を前治療として行った患者ではCR1人、PRが1人で、奏効率は10.5%にとどまった。転移部位別では所属リンパ節の奏効率が48.9%、遠隔リンパ節が40%、肺が57.1%と効果が高かった。無再発生存率の中央値は162日で、1年無再発生存率は14%だった。

 一方、副作用は血液毒性が比較的多く、グレード3以上の貧血が19%、血小板減少が42%、好中球減少が32%だった。非血液毒性は比較的軽微だった。