病期2期から3B期の胃癌において、術後補助化学療法としてのドセタキセルS-1の併用が有効であることが明らかになった。10月30日から11月1日に名古屋市で開催された第46回日本癌治療学会総会で、九州大学大学院消化器・総合外科の遠藤和也氏らが発表した。

 病期2期、3期の胃癌に対しては、術後補助化学療法として、S-1の投与が標準治療となっている。しかし3期における予後は必ずしも良好とはいえない。そこで遠藤氏らは、再発として多い腹膜転移に対し有効とされるタキサン系製剤のドセタキセルを併用することにした。

 試験は、病期2期、3A期、3B期の治癒切除後の胃癌患者で、化学療法や放射線療法などの前治療が行われていない患者を対象に行われた。投与は術後56日以内に開始され、3週間おきに、ドセタキセル(40mg/m2)を1日目に、S-1(80mg/m2)を1〜14日目に投与し、これを4コース継続した。その後、S-1(80mg/m2)のみを同様の投与スケジュールで術後1年まで投与した。

 2007年4月から2008年3月までに22人(うち男性が15人)が登録された。病期2期が9人、3A期が9人、3B期が4人だった。

 4コースの治療を完遂したのは22人中15人で、完遂率は68%だった。7人で中止されたが、中止した理由は、グレード3の下痢・急性腸炎(1人)やグレード4の好中球減少(1人)、グレード3の食欲不振(2人)などだった。また1年まで完遂したのは10人だった。

 グレード3以上の有害事象は、好中球減少が2人、下痢が2人、食欲不振が1人、SIADH(抗利尿ホルモン不適合症候群)が1人、手足症候群が1人だった。

 遠藤氏は、「シスプラチンとS-1の併用は効果は高いが、入院が必要であり、ドセタキセルとS-1は外来で投与が行えるという利点がある」と話した。また今回の結果から、「ドセタキセルとS-1の併用療法は施行が可能で、有効性が期待できる」としたが、有効性については、5年経過した成績を見ないと結論は出せないとしている。