リンパ節転移のない乳癌で、TC療法(ドセタキセルシクロホスファミド)療法は6サイクルの投与でも90%の患者で施行できたことが、認容性を検討した多施設共同臨床試験で明らかになった。10月30日から11月1日に名古屋市で開催された第46回日本癌治療学会総会で、KMBOG(Kinki Multidisciplinary Breast Oncology Group)を代表して、大阪医療センター外科の増田慎三氏が発表した。

 TC療法については、US oncology 9735試験で、乳癌の術後補助療法として、AC療法(ドキソルビシン、シクロホスファミド)の4サイクル投与よりも、TC療法の4サイクルのほうが無増悪生存率および全生存率が高いことが報告され、国内でもアントラサイクリン系製剤を外すレジメンが試みられている。

 試験を行ったKMBOGでは、FEC療法(フルオロウラシル、エピルビシン、シクロホスファミド)の6サイクルを、リンパ節転移陰性の乳癌患者に対する術後補助療法の標準レジメンとしてきた。そのため、今回の試験では、TC療法の6サイクルが検討されることになったという。

 腋窩リンパ節転移陰性で、St.Gallenリスク分類が中等度の乳癌患者を対象に、術後補助療法として、術後16週以内に、ドセタキセル75mg/m2およびシクロホスファミド600mg/m2を3週間おきに投与した。

 2006年9月から2007年7月に6施設41人が登録され、同意が得られなかった1人を除く40人で解析が行われた。年齢の中央値は56歳(31〜70歳)、65歳未満が32人、65歳以上が8人だった。

 主要エンドポイントである完遂率は、4サイクルまでは97.5%(39人)、6サイクルまでは90.0%(36人)だった。4サイクルまで完遂しなかった1人は、グレード3の皮疹・落屑のため患者の希望で、3サイクル目で中止した。6サイクルまで完遂しなかった3人はすべて65歳以上で、患者の希望(1人)および倦怠感・鬱症状(2人)により投与が中止された。

 安全性については、グレード3/4の好中球減少が6人(16%)、発熱性好中球減少が5人(13%)、白血球減少が3人(8%)に見られた。これらの有害事象で投与量の1レベルの減量(ドセタキセル60mg、シクロホスファミド500mg)が行われたのは7人、2レベルの減量(ドセタキセル45mg、シクロホスファミド400mg)が1人だった。

 予定投与量に対する実際の投与量を示すrelative dose intensityは、ドセタキセルもシクロホスファミドも、4サイクルでは96%、6サイクルでは95%だった。

 これらのことから、「TC療法の4サイクルあるいは6サイクルは、安全に外来で施行できるレジメンである」が、有害事象が発生した場合は投与量を減量する必要がある。また、高齢の患者では4サイクルで中止することが多かったことから、6サイクルの投与は65歳未満の患者が適しているといえるだろう。