乳癌術後補助化学療法で有用とされる5-FUエピルビシン(EPI)、シクロフォスファミド(CPA)からなるFEC 100とドセタキセル(DOC)100は、DOC 100を先に投与する方がより認容性が高いと考えられる。10月30日〜11月1日に名古屋市で開催された第46回日本癌治療学会において、滋賀医科大学乳腺・一般外科の阿部元氏が報告した。

 乳癌術後補助化学療法としてアンスラサイクリンを含むレジメンにタキサン系を追加する有用性は明らかになっている。しかし、どちらの薬剤を先行投与するかについての認容性および安全性については、まだ検討されていない。

 阿部氏らがこの検討において対象としたのは、腋窩リンパ節転移陽性または陰性のSt.Gallenコンセンサス2007でリスクがIntermediateおよびHighで、20〜65歳以下、ECOG PS 0〜1の乳癌患者42人。

 5-FU 500mg/m2、EPI 100mg/m2、CPA 500mg/m2(FEC 100)を3週間毎、3コース投与後にDOC 100mg/m2を3週間毎、3コース投与するA群と、用量や投与間隔および期間は同じでDCO 100を先行投与後にFEC 100を投与するB群に、患者を21人ずつ割り付けた。主要評価項目は治療完遂率、副次的評価項目は安全性と投与状況とした。投与は手術後4週間以内を原則とした。両群の患者のエストロゲン受容体(ER)陽性率、プロゲステロン受容体(PgR)陽性率などは差がなかった。

 治療完遂率について、A群は100%、B群は適応外の疾患が含まれており、これを除外したため95.2%となった。

 安全性について薬剤間で比較すると、血液毒性では、FEC 100でグレード3/4の発熱性好中球減少が3例(7%)に出現したが、DOC 100では出現しなかった。非血液毒性では、FEC 100で悪心・嘔吐、食欲不振などの消化器症状が、DOC 100で浮腫が多く出現するという特徴がみられた。FEC 100の有害事象は自然回復または支持療法で十分に対応が可能であった。

 血液毒性をA・B群で比較すると、発熱性好中球減少およびヘモグロビン減少はA群のみに出現した。非血液毒性については、両群に大きな差は認められなかった。

 阿部氏は「A群、B群ともに認容性に優れた術後補助化学療法と考えられるが、DOCを先行するB群の方がより認容性があると考えられた」と話した。