大阪大学大学院医学系研究科准教授の西田俊朗氏

 日本におけるGIST消化管間質腫瘍)の診療ガイドラインがこのほどまとまり、年内に公表されることになった。第45回日本癌治療学会のランチョンセミナー「GIST診療ガイドラインについて」(共催:ノバルティスファーマ)では、大阪大学大学院医学系研究科准教授の西田俊朗氏が、ガイドラインのポイントを解説した。

 GISTは年間10万人に1〜2人発症する悪性腫瘍で、粘膜下腫瘍の形をとり、多くは出血や腹痛、腫瘤などから発見される。日本人では胃に好発し、60〜70%を占めている。GISTでは、KITを発現している患者が95%を占め、かつCD34の発現が70%の患者に見られる。遺伝子的には、c-kit遺伝子の変異が80〜90%、PDGFRα遺伝子の変異が5〜10%に存在する。

エビデンスをベースにコンセンサスを加える

 欧米では、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)などによるGIST診療ガイドラインが存在するが、日本の実情とは、診断のところからGISTに対する対応が異なっている。そこで、日本の診療事情に合ったものを作りたいと、日本癌治療学会がん診療ガイドライン委員会GIST分科会がまとめたのがこのGITS診療ガイドラインである。ただし、GISTはまれな疾患であるため、残念ながらはっきりとエビデンスがあると言えるのは、化学療法に関する分野だけ。従ってこのガイドラインは、専門家のコンセンサスを加えた「エビデンスベースドコンセンサスガイドライン」だとする。

 西田氏によると、このガイドラインの改訂は3年を目処とするが、その間に重要なエビデンスが明らかとなった場合には、ガイドライン委員会の許可を得て改訂する場合もあるという。

ガイドラインは7つのアルゴリズムから構成される

1.胃粘膜下腫瘍(SMT)の治療方針
2.GIST治療マニュアル(1)外科治療
3.GIST治療マニュアル(2)内科治療
4.GIST治療マニュアル(3)再発治療
5.臨床試験:イマチニブ耐性GIST
6.臨床試験段階の治療:Marginally Resectable GIST
7.GIST病理組織診断

 このガイドラインの特徴は、外科、内科だけではなく、画像診断、病理の専門家が参加している点だ。また、欧米のガイドラインと異なり、「胃粘膜下腫瘍(SMT)の治療方針」のアルゴリズムが加えられている。日本で多い、いわゆる検診などで偶発的に見つかる疾患の治療方針も入れておくというスタンスだ。

 その他、アルゴリズムの中に病理診断が入っている点、そして薬剤の承認状況が異なることによるイマチニブ耐性GISTへの対応という点が、欧米のガイドラインと多少異なっている。

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