■オキサリプラチンベースの化学療法にベバシズマブを併用するファーストライン治療で、フルオロウラシルの投与方法に違いがある場合、生存期間に違いはあるか。

 TREE-2試験では、オキサリプラチンをベースとした治療法の場合、フルオロピリミジンをどの様に使っても、またレジメンに違いがあっても、ほとんど治療効果に違いがないということが示された。

図3 bFOL療法、mFOLFOX療法、XELOX療法にベバシズマブを併用した場合の効果の比較(画像をクリックすると拡大します)

 具体的には、オキサリプラチン、LV、急速静注5-FUを使うbFOL療法、オキサリプラチン、LV、急速・持続静注5-FUを使うmFOLFOX療法、経口のカペシタビンとオキサリプラチンを組み合わせるXELOX療法と、それぞれにベバシズマブを上乗せしたもの。Lenz氏は、3つのレジメンの間に大きな違いはなく、いずれの場合も腫瘍が増殖してしまうまでの期間(図3)や全生存期間(OS)を延長したと紹介した。

 なお、ベバシズマブにはFOLFOX療法あるいはFOLFIRI療法のどちらを併用すべきかという問いに対し、Lenz氏は、糖尿病患者やプログラマーやバイオリニストなど目や指先を使った作業を仕事にするような患者には末梢神経症状などの有害事象が報告されているFOLFOX療法を行うべきではなく、潰瘍性腸炎患者や肝機能が落ちている患者では下痢や肝障害が有害事象として報告されているFOLFILI療法を行うべきではない、など各患者の臨床症状を把握した上での選択が必要だと指摘した。

■オキサリプラチンベースの化学療法(FOLFOX4)にベバシズマブを併用するセカンドライン治療はPFSやOSを延長させられるか。

 セカンドライン治療においてベバシズマブを評価したE3200試験では、FOLFOX4レジメン単独群の無増悪生存期間(PFS)中央値が4.8カ月だったのに対し、FOLFOX4+ベバシズマブ群は7.2カ月、全生存期間(OS)中央値もそれぞれ、10.8カ月、12.9カ月と有意に延長したという結果が得られている(Giantonio et al. ASCO2005)。

■抗血管新生薬と抗EGFR(上皮成長因子受容体)薬を併用した場合、PFSやOSを延長させられるか。

 ベバシズマブに、近年、臨床評価が進んできた抗EGFR抗体を併用する治療については、3つの抗癌剤を併用したBOND-1/2試験を紹介した。

 この試験は、イリノテカン抵抗性大腸癌患者を対象に、イリノテカンと抗EGFR抗体セツキシマブを併用。この併用にベバシズマブを加える効果について評価したものだ。いわば、腫瘍細胞の殺傷と増殖抑制という作用に抗血管新生作用を上乗せする形になる。

図4 ベバシズマブとセツキシマブを併用した場合のPFSの比較(画像をクリックすると拡大します)

 試験の結果、セツキシマブ単独の無増悪生存期間中央値は1.5カ月。セツキシマブとベバシズマブの併用群が5.6カ月。セツキシマブとイリノテカンの併用群が4.0カ月で、3剤を併用すると7.9カ月まで延長することが明らかとなった(図4)。Lenz氏は、ベバシズマブの併用は効果が期待できるが、こういった併用療法は、今後、さらに研究が進められるべきだとした。