日本で実施されたGEM補助化学療法の比較試験

 日本では、厚生労働省科学研究費研究班(小菅班)が、浸潤性膵管癌切除例に対するGEM補助化学療法の有用性を検討するために、2002年4月から10施設による多施設オープン無作為化比較試験を実施した。

 主要評価項目はDFSとOS、副次的評価項目は有害事象に設定した。GEM投与群と非投与群に無作為に割り付け、GEM投与は3コース(GEM1000mg/m2を1週間に1回、3週連続投与、1週休薬を1コース)行うこととした。3年間で119例を登録した。不適格例を除き、最終的にGEM投与群58例、非投与群60例が解析対象となった。GEM投与群58例のうち44例(75.9%)が3コースを完遂し、安全性評価については57例が解析対象となった。

 GEM投与群と非投与群の患者背景はほとんど差がなく、手術根治度はR0が約80%だった。GEM投与回数はフルコースの9回が25例で平均6.81回、Dose intensity(用量強度)の中央値は667mg/m2/週であった。

国内の試験でもDFSがGEM投与群で有意に改善

図3 浸潤性膵管癌切除例に対するGEM補助化学療法の有用性を評価した多施設オープン無作為化比較試験における無病生存期間(画像をクリックすると拡大します)

 解析の結果、主要評価項目の1つであるDFSについては、その中央値はGEM投与群が11.4カ月、非投与群が5.0カ月と有意にGEM投与群で改善することが示された(P=0.01、図3)。DFSのサブグループ解析では、R0群およびStageI、II期群において、それぞれR1群およびStageIII、IV群より大幅な改善が認められた。

図4 浸潤性膵管癌切除例に対するGEM補助化学療法の有用性を評価した多施設オープン無作為化比較試験における全生存期間(画像をクリックすると拡大します)

 もう1つの主要評価項目であるOSについては、有意差は認められなかったが(P=0.29)、Median OSを比較すると、GEM投与群が22.3カ月、非投与群が18.4カ月と約4カ月の改善が示された(図4)。

 有害事象については、GEM投与群でグレード3以上の好中球減少が約70%、白血球減少が約25%に認められ、通常の切除不能膵癌を対象に投与する場合に比べて、高い傾向が示された。