現在の癌化学療法の実施は主に外科医が行っているが、化学療法を行っている外科医のほとんどが内科医の関与を望んでいることが明らかになった。

 これは、川崎医科大学臨床腫瘍学準教授の山口佳之氏が、日本癌治療学会外科評議員とその関連外科施設153施設を対象に行ったアンケートの結果。10月24日〜26日に京都市で開催された日本癌治療学会で癌治療学会と日本臨床腫瘍学会の合同シンポジウム「がん化学療法のあり方」で発表された。

 山口氏らは、357人の外科医から回答を得、回答者の37%が消化器外科医、23%が外科医であった。

 回答した外科医の82%が拠点病院もしくは特定機能病院、大規模病院に所属していたにもかかわらず、7割弱の施設で化学療法室が整備されていなかった。また、施設内に腫瘍内科医が存在するとの答えは約4割のみ。過半数以上の施設に腫瘍内科医が存在していない現状が明らかになった。

 また、約4分の3の回答者が、化学療法を実施しているのは外科医と回答していた。一方、本来、だれが化学療法を実施すべきかとの問いに対しては、外科が担当すべきとの答えは7%と非常に低く、内科に任せる、もしくは内科医と外科医が分担して行うべきとの回答がほとんどであった。

 すなわち、外科医は、化学療法を自らが行うべきとは考えていないにも関わらず、腫瘍内科医の不足という現状のため、やむを得ず化学療法を実施している現状が浮き彫りになった。

図 腫瘍内科医の存否と意見比較

 腫瘍内科医が院内にいる場合と、いない場合で、実施主体の医師を比較した結果、腫瘍内科医がいない医療機関では化学療法の9割程度を外科医が担当していた。一方、腫瘍内科医が存在する場合では、外科医が担当している場合は約5割と外科医の関与は減少していた(図)。

 加えて外科医は、現状以上に化学療法を腫瘍内科医との分担もしくは内科医に任せたいと思っていることも表から読み取れる。これは、腫瘍内科医がいる医療機関においても、十分な数の腫瘍内科医がいないことを示唆するものだろう。