外来化学療法の普及で、保険でもカバーされず

 一方、最近では、高額な医療費に備えて複数の民間保険に入って対応している患者も多い。だが濃沼氏は、急速に外来化学療法が普及する中で、民間保険会社の多くが外来治療を十分カバーしていない問題も指摘した。

 本調査では、外資系も含めた全民間がん保険会社20社を対象に給付対象項目などを調査したが、主に民間保険会社がカバーするのは入院治療費。外来治療費を給付対象としている会社は23%にすぎなかった。

 「民間保険があてにできないケースが多いことが分かった。入院から外来に治療の場がシフトしてきている現状に合わせて、民間保険のあり方も検討すべきだ」と濃沼氏は話す。

 経済的負担が治療選択に影響を与えるようなケースが出てきている今、根本的な制度改革も必要だ。「癌治療など、負担の重い疾患に優先的に公費を重点配分し、代わりに自己負担でもまかなえるような軽い疾患の負担率を上げるといったように、負担率に傾斜をつけるよう制度をシフトしてもいいのではないか」。濃沼氏はこう話している。