化学療法と胸部照射を受けた局所進行非小細胞肺癌において、人年法で100人あたり2.4人に二次癌が発生していることが、岡山肺癌治療研究会が行った2つのフェーズII臨床試験の対象者をおよそ9年間追跡した結果で明らかになった。岡山医療センター呼吸器科の米井敏郎氏らが、10月24〜26日に京都で開催された第45回日本癌治療学会総会で発表した。

 2つの臨床試験は、1994〜1999年に、切除不能の局所進展非小細胞肺癌に対して、シスプラチンと5-FUの併用化学療法と胸部同時照射(50人)、およびシスプラチンとドセタキセルの併用化学療法と胸部同時照射(42人)を検討したもの。患者の年齢中央値は65歳(29〜75歳)。

 観察期間の中央値は8.9年(5.2〜11.4年)で、全対象者における5年生存率は30.4%、生存期間の中央値は2.0年だった。シスプラチンと5-FUによる化学放射線療法の対象者では5年生存率は30.0%、生存期間中央値は1.6年で、無増悪生存期間が0.75年だった。一方のシスプラチンとドセタキセルの化学放射線療法の対象者では、5年生存率は31.0%、生存期間の中央値は2.1年、無増悪生存期間が1.2年だった。

 二次癌が7人に見られ、その内訳は、胆嚢癌1人、食道癌2人、肺腺癌2人、小細胞肺癌1人、胆管癌1人だった。3人が二次癌で死亡した。いずれも原発巣の増悪は示していなかったという。7人すべてが年間30箱以上の喫煙者で、シスプラチンと5-FUによる化学放射線療法を受けた患者が7人のうち5人だった。

 化学放射線療法開始から二次癌発生までの期間は中央値で9.6年(95%信頼区間 8.1〜11.1年)。二次癌の発生頻度は人年法で100人あたり2.4人(同 1.0-4.9)となり、累積発現頻度は5年で5.8%、8年で10.0%、9年で41.8%、10年では人数が少ない影響もあるが60.8%に及んだ。

 研究グループは、二次癌発生者の全員が喫煙者であったこと、放射線照射野以外から発生した二次癌が多かったことなどから、治療により二次癌が発生したのか、過去の喫煙などの生活習慣により新たな癌が発生したのかは区別できず、化学放射線療法が原因で二次癌が発生すると断言はできないとしている。

 ただし、局所進行非小細胞肺癌に対する化学放射線療法は、二次癌の発生につながる可能性を考慮した注意深い経過観察が必要であり、加えて二次癌発生予防に関する研究も重要であると述べた。