術前内分泌療法を行った乳癌において、長期予後因子として有効なのは、病理学的効果であることがフェーズII臨床試験の追跡結果で確認された。国立がんセンター中央病院乳腺外科の明石定子氏らが、10月24〜26日に京都で開催された第45回日本癌治療学会総会で発表した。

 また、術前内分泌療法の有用性と至適投与期間を検討するため、ステージ2〜3Aの閉経後ホルモン受容体陽性乳癌患者を対象に術前エキセメスタンの4カ月投与と6カ月投与を比較する無作為化フェーズII臨床試験を実施する予定であるという。

 研究グループは、腫瘍径3cm以上の閉経後ホルモン受容体陽性乳癌を対象に、術前に3〜6カ月間タモキシフェンを投与した群(39人)およびアナストロゾールを投与した群(48人)において、臨床効果および病理学的効果と無再発生存との関連を分析し、予後予測因子を検討した。

 臨床効果として完全奏効が確認されたのは、タモキシフェン投与群1人、アナストロゾール投与群5人、奏効率はそれぞれ41%、52%だった。病理学的効果では、グレード0(無効)が12人、5人、グレード1a(軽度の効果)が最も多く16人、28人だった。

 2007年10月20日までの4.2年間(中央値)の観察期間で、再発は15人に見られた。病理学的効果と無再発生存との関連を見たところ、グレード1a以上では5年無再発生存率は91.3%だが、グレード0では45.1%と有意に低かった(p=0.0012)。また多変量解析の結果、病理学的効果が独立した予後予測因子であることが確認された。

 リンパ節転移の個数別では、0個(29人) では5年無再発生存率は100%、1〜3個(30人)では67.5%、10個以上(6人)では66.7%だった。また超音波による臨床効果との関連では、完全奏効の見られた患者(1人)の5年無再発生存率は100%、部分奏効(24人)では88.3%、不変(50人)で74.8%、進行(4人)で45.7%となった。