上皮成長因子受容体(EGFR)陽性の治癒切除不能進行・再発大腸癌を対象にわが国で行われたフェーズII臨床試験で、イリノテカンと抗EGFR抗体製剤セツキシマブの投与が有効であることが明らかとなった。海外で実施された試験とほぼ同等の安全性と効果を示した。

 イリノテカンに不応で、オキサリプラチンとフルオロピリミジンに不応または耐容不能(3剤無効)の患者を対象とした試験で有効性が示されたのは世界で初めてになるという。成果は10月24日から26日に京都市で開催されている日本癌治療学会で静岡がんセンター消化器内科(現国立がんセンター東病院消化器内科)の吉野孝之氏によって発表された。

 フェーズII試験は、3剤無効の患者46人のうち、全身状態の悪化した患者とEGFRが陰性だった患者を除く39人を対象に実施された。被験者でイリノテカンを毎週投与されていた患者には、毎週100mg/m2(4週連続投与して3週休薬)のイリノテカンに加えて、初回400mg/m2、その後毎週250mg/m2のセツキシマブが投与された。イリノテカンを2週間隔投与されていた患者には、2週間置きに150mg/m2(3回連続投与後3週間休薬)のイリノテカンに加えて、初回400mg/m2、その後毎週250mg/m2のセツキシマブが投与された。

 その結果、主要評価ポイントだった奏効率は、PRが12例で31%(95%信頼区間 17-48%)だった。SD(安定状態)を加えた病勢コントロール率は64%になった。前化学療法の最良効果別の奏効率でみると、イリノテカンでPDであった12例中3例でPRが得られた。無増悪生存期間中央値は125日(95%信頼区間 82-156日)で、無増悪生存率は3カ月が54%、6カ月が24%だった。全生存期間中央値は268日(95%信頼区間 180-390日)で、生存率は3カ月が100%、6カ月が64%、9カ月が49%だった。

 一方、主な血液毒性でグレード3以上のものが見られたのは、白血球減少(4例、10%)、リンパ球数減少(4例、10%)、好中球減少(9例、23%)、ヘモグロビン減少(3例、8%)だった。主な非血液毒性でグレード3以上のものが見られたのは、ざ瘡様皮疹(2例、5%)、下痢(6例、15%)、食欲不振(4例、10%)、悪心(1例、3%)、疲労(1例、3%)、低マグネシウム血症(1例、3%)だった。ざ瘡様皮疹は全グレードを合わせると38例、97%となった。