既治療小細胞肺癌に対してアムルビシントポテカンよりも有効であることが無作為化第II相試験の結果から明らかになった。この結果は、6月15日から開催された第48回日本呼吸器学会学術講演会で、北日本肺癌臨床研究グループに参加する東北大学病院遺伝子・呼吸器内科の井上彰氏が発表した。

 小細胞肺癌は初回化学療法に奏効しても、ほとんどの症例で再増悪を認め、セカンドライン化学療法の対象となる。今回、同グループは、再発小細胞肺癌に対する有用な薬剤を選択する目的として、アムルビシンとトポテカンの抗腫瘍効果を比較した。

 プラチナ製剤を含む初回化学療法を受けた、PSが0から2までの60症例を登録し、最終的に解析対象はアムルビシン群29例、トポテカン30例だった。アムルビシン群は、40mg/m2/dayを1〜3日間、3週ごとのサイクル、トポテカン群は1mg/m2/dayを1〜5日間、3週ごとのサイクルで投与した。再発は、Refractory relapseとして初回化学療法の効果がない、または初回化学療法の効果があったが治療後90日以内に再増悪した症例、Sensitive relapseとして初回化学療法の効果があり、治療終了後90日以上の間隔をおいて再増悪した症例と定義した。

 患者背景は、年齢はアムルビシン群が平均70(54-77)、トポテカン群が64(32-78)、PS0-1はアムルビシン群24例、トポテカン群26例、PS2はアムルビシン群5例、トポテカン群4例。再発形式でSensitiveは、アムルビシン群17例、トポテカン群19例、Refractoryはアムルビシン群12例、トポテカン群11例。前治療の放射線治療を受けたのは、アムルビシン群15例、トポテカン群16例、初回化学療法でプラチナ+エトポシドを受けていたのはアムルビシン群22例、トポテカン群20例、プラチナ+イリノテカンを受けていたのはアムルビシン群7例、トポテカン群11例だった。

 結果は、アムルビシン群で、CRが0例、PRが11例、SDが12例、PDが6例。トポテカン群はCRが0例、PRが4例、SDが10例、PDが16例だった。奏効率はトポテカン群12%(95%CI 4-31)に対しアムルビシン群38%(95CI 21-58)だった。病勢制御率は、トポテカン群47%(95%CI 28-66)に対し、アムルビシン群79%(95%CI 60-92)だった。無増悪生存期間中央値は、トポテカン群2.2カ月に対してアムルビシン群3.5カ月(p=0.16)、全生存期間中央値はトポテカン群8.4カ月に対し、アムルビシン群8.1カ月だった(p=0.17)。

 治療コース数は、アムルビシン群で1コース7例、2コース6例、3コース7例、4コース7例、6コース1例、7コース1例、中央値は3コース(1-7)、トポテカン群では1コース8例、2コース8例、3コース6例、4コース8例、6コース0例、7コース0例、中央値2コース(1-4)だった。

 この試験において、二次化学療法だけでなく三次化学療法やそれ以降の化学療法におけるアムルビシンまたはトポテカンによる治療の有無による全生存期間を解析した結果、再発後の全生存期間中央値で、アムルビシン群は“治療あり”の場合で9.6カ月、“治療なし”では4.8カ月(p<0.001)、トポテカン群は“治療あり”の場合で8.4カ月、“治療なし”では8.1カ月(p=0.0909)だった。

 血液毒性は、グレード3/4の好中球減少、血小板減少、貧血が、アムルビシン群でそれぞれ97%、28%、21%で、トポテカン群はそれぞれ87%、40%、30%だった。非血液毒性は、グレード3/4の悪心/嘔吐がアムルビシン群で3%、トポテカン群で0%、下痢がアムルビシン群で0%、トポテカン群で3%、疲労がアムルビシン群で17%、トポテカン群で7%、肺炎がアムルビシン群で3%、トポテカン群で0%、感染がアムルビシン群で10%、トポテカン群で3%だった。

 これらから、既治療小細胞肺癌に対するアムルビシン治療はトポテカンよりも有効性が高く、毒性も許容範囲と判断されると結論した。