70歳以上の高齢者肺腺癌患者に対する初回治療としてのゲフィチニブ投与は、比較的少ない毒性で十分な治療効果が期待できることが明らかとなった。国内で行われたフェーズ2臨床試験の結果示されたもの。成果は6月15日から17日に神戸市で開催された日本呼吸器学会で広島市民病院通院治療センターの岩本康男氏によって発表された。

 フェーズ2試験は化学療法を受けたことのない70歳以上の肺腺癌患者で、3B期/4期のPS0-2の比較的全身状態の良い患者を対象に実施された。主要評価項目は奏効率で副次評価項目は病勢制御率、全生存期間、無増悪生存期間、有害事象とされた。2004年12月から2005年12月までで登録数は31人で、適格数は30人。ゲフィチニブは1日あたり250mgを投与された。年齢中央値は78.5歳(70-87)で男性が14人だった。

 試験の結果、治療期間の中央値は1.6カ月(0.4-29.9)で部分奏効(PR)が6人、安定状態(SD)が8人で奏効率は20.0%(95%信頼区間7.7-38.6)、病勢制御率は46.7%(95%信頼区間28.3-65.7)だった。全生存期間中央値は11.9カ月(95%信頼区間7.8-16.01)、1年生存率は48%。無増悪生存期間中央値は2.7カ月(95%信頼区間0-5.7)、1年無増悪生存率は11%だった。

 サブセット解析では、奏効率は女性で37.5%だったのひ対して男性は0%だった。非喫煙者は42.9%で喫煙、既喫煙者は0%だった。女性・非喫煙・腺癌(13人)の治療成績は、奏効率は46.2%、病勢制御率は61.5%、全生存期間中央値は15.1カ月だった。1年生存率は62%、無増悪生存期間は10.5カ月だった。

 一方、有害事象はグレード3以上のものは、発疹、下痢、食欲不振、倦怠感、心筋梗塞、AST/ALTの上昇などだったが、いずれも1例もしくは2例の発現だった。間質性肺炎や治療関連死はなかった。