75歳以上の進行非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+ドセタキセル併用療法はBest Supportive Careに比べて有意に生存期間を延長することが示された。この結果は、6月15日から開催されている第48回日本呼吸器学会学術講演会で、東邦大学医療センター佐倉病院内科の川島辰男氏が発表した。

 近年、70歳から75歳の高齢者の進行非小細胞肺癌に対して多剤併用化学療法の有効性が報告されているが、川島氏は、今後高齢化が進むことから75歳以上の高齢者における治療法の検討が必要と考え、2剤併用化学療法の有効性を検討した。

 対象は、2000年1月から2006年までに進行非小細胞肺癌と診断された75歳以上の高齢者29例。このうち、カルボプラチン+ドセタキセル(CBDCA+TXT)併用群12例、BSC群17例の平均生存期間や1年生存率を比較した。患者がどちらの群に割り当てられるかは、患者本人と家族と話し合いを行い、最終的には患者や家族が選択した。

 CBDCA+TXT群は、PS0が9例、PS1が1例、PS2が2例、PS3は0だった。BSC群は、PS0が9例、PS1が4例、PS2が3例、PS3が1例だった。BSC群の生存期間中央値が145日、1年生存率が0%であったのに対し、CBDCA+TXT群の生存期間中央値は700日で、1年生存率は25%だった(p<0.0012)。

 また、非小細胞肺癌と診断され、CBDCA+TXT併用療法を受けた治療群のうち、75歳以上の高齢者と75歳未満の非高齢者について、奏効率、平均生存期間、1年生存率、副作用などを比較した解析も行った。

 対象は、高齢者12例、非高齢者45例。高齢者ではPS0は9例、PS1は1例、PS2は2例、PS3は0例、非高齢者ではPS0は33例、PS1は10例、PS2は3例、PS3は0例だった。施行コース数は、高齢者では1コース2例、2コース1例、3コース0例、4コース以上が7例で、非高齢者では1コース11例、2コース18例、3コース10例、4コース以上が8例だった。

 CBDCA+TXT治療を受けた結果、非高齢者群ではCRが2.2%、PRが13.3%、SDが53.3%、PDが31.1%であったのに対し、高齢者群ではCRがなく、PRが41.6%、SDが50.0%、PDが8.3%だった。

 非高齢者群の奏効率は15.5%で生存期間中央値は274日、1年生存率は15.2%であったのに対し、高齢者群は奏効率41.6%で、生存期間中央値は546日、1年生存率は33.3%だった(p=0.1773)。

 グレード3以上の血液毒性は、非高齢者群で白血球39.1%、Hb8.7%、血小板が2.2%で、高齢者群では白血球58.3%、Hb0%、血小板0%だった。非血液毒性は、高齢者群で間質性肺炎1例、食欲不振が1例。非高齢者群では、ショック1例、間質性肺炎3例、食欲不振5例、嘔吐1例だった。

 これらの結果から、川島氏は、75歳以上の高齢進行非小細胞肺癌患者においてBSCと比べてCBDCA+TXT併用投与は有意に生存期間を延長すると結論した。CBDCA+TXT併用療法は非高齢者、高齢者間に生存期間の有意な差は認められず、毒性出現は高齢者で白血球減少の出現頻度は高かったが減量により治療の継続は可能だったと締めくくった。