●再発時期は2年目までに76%、再発様式は播種性が42%

 北里大学外科の二渡信江氏らは、86年から02年までに胃切除術が施行された根治度A、Bの1633例(残胃癌、多発癌、多重癌を除く)のうち、07年までの癌死症例171例について解析した結果を発表した。

 171例のうち、男性120例、女性51例で、平均年齢は58.3歳。深達度はT1が8例、T2が79例、T3が66例、T4が18例。組織型は分化型が48例、未分化型が123例、リンパ節転移はN0が18例、N1が53例、N2が75例、N3が24例。病期が1は15例、2が33例、3が89例、4が34例だった。

 胃癌再発死亡例の転移形式では、播種性が41.5%と最も多く、血行性転移が33.3%、リンパ行性転移が23.4%と続いた。局所再発は1.8%と少なかった。播種性はT3症例に多く見られる傾向にあった。

 再発時期は、術後1年目までに73例(42.7%)、2年目までに130例(76.0%)と2年目までの再発が多かった。ただし、5年以上経過してからの再発例が9例(5.3%)あった。播種の累積発症率は1年以内が40.8%、2年以内が83.1%、血行性転移の累積発症率は1年以内が54.4%、2年以内が75.4%、リンパ行性転移の累積発症率は1年以内が30.0%、2年以内が67.5%、3年以内が90.0%だった。

 再発後生存期間の中央値は5カ月で、部位別ではリンパ行性転移(n=40)が5カ月、播種(n=71)では4カ月、血行性転移(n=57)では6カ月だった。転移後の死亡率は1年で83%だった。

 最後に二渡氏は、術後2年間は再発の危険性が高く短期経過観察が必要で、少なくとも3カ月から半年ごとの超音波、CT等を用いた検診が望ましいとし、2年目以降は半年ごとの検診が好ましいとした。また、5年以上経過してもまれに再発が見られることから、標準的な検診については今後検討課題とした。

●血行性転移、局所リンパ節転移、残胃再発ではサーベイランスは有効

 福岡大学筑紫病院外科の三上公治氏らは、95年から02年までの根治度A、Bの胃切除術症例402例(ステージIが59.1%)のうち、再発例62例を解析した結果を発表した。

 フォローアップは、診察と血液生化学検査が術後12カ月までは3カ月ごと、1〜5年までは6カ月ごと。腹部超音波検査あるいは腹部CT検査は術後5年までは6カ月ごと。上部消化管内視鏡は術後5年まで12カ月ごと、胸部X線検査は術後5年まで12カ月ごととした。平均フォローアップは60.4カ月だった。

 再発症例62例(男性42例、女性19例)のうち、術後から再発までの期間の平均は22.2カ月、再発後の平均生存期間は10.5カ月だった。個別に見てみると、(1)腹膜播種は20例で、再発までの平均期間は19.6カ月、再発後の平均生存期間は5.2カ月だった。(2)血行性転移は19例で、再発までの平均期間は19.8カ月、再発後の平均生存期間は13.6カ月。(3)局所再発は12例で、再発までの平均期間は21.3カ月、再発後の平均生存期間は10.8カ月。(4)残胃再発は3例で、再発までの平均期間は80.4カ月、再発後の平均生存期間は24.5カ月だった。(5)多発性再発は8例で、再発までの平均期間は13.8カ月、再発後の平均生存期間は9.3カ月だった。

 血行性転移とリンパ節再発では、切除/化学療法を行った場合、緩和治療のみと比べて有意に再発後生存率は高かったが、腹膜播種と多形態再発では切除/化学療法を行った例と緩和治療を行った例の間で再発後生存率は変わらなかった。

 再発形式ごとの再発時有症状率では、腹膜播種では有症状率は90%、血行性転移では有症状率47.4%、局所再発の有症状率は83.3%、残胃再発では100%が無症状だった。

 単変量解析の結果から再発後短期死亡に関する因子は、(1)初回手術時リンパ節転移を認める症例、(2)腹膜播種および多発性再発症例、(3)再発巣切除あるいは化学療法を施行しなかった支持療法症例、(4)再発時有症状例だった。


 三上氏は、再発後短期死亡因子でない血行性転移や残胃再発は症状を認めることが少なく、定期検査が有用であると期待されると語った。

 最後に、再発形式が血行性転移、局所リンパ節転移、残胃再発であれば、サーベイランスを行うことが無症状時の早期発見に有望であると考えられるが、サーベイランスの方法については今後検討が必要であるとまとめた。