●ステージIIIa以上は1〜2年以内に半数以上が再発、二次発癌で大腸癌に注意

 東京女子医科大学の瀬下明良氏らは、1990年より根治度A、Bで、再発、死亡した症例136例について解析した結果を発表した。

 検討対象としたのは、早期癌では、再発死が5例、他癌死9例、他病死21例、不明4例。進行癌では再発死73例、他癌死1例、他病死10例、不明13例だ。再発までの期間は、ステージI(11例)が中央値21カ月(12〜59カ月)、ステージII(8例)が中央値34カ月(5〜59カ月)、ステージIIIa(25例)が中央値13カ月(6〜45カ月)、ステージIIIb(18例)が中央値17カ月(4〜100カ月)、ステージIV(17例)が中央値7カ月(3〜23カ月)だった。この結果から、ステージIIIa以上は1〜2年以内に半数以上が再発することが明らかになった。

 初発再発部位と時期については、癌性腹膜炎(35例)での再発までの中央値は17カ月(3〜100カ月)、リンパ節および局所(20例)が中央値23カ月(6〜50カ月)、肝(16例)が中央値14カ月(4〜64カ月)、肺(5例)が中央値12カ月(12〜45カ月)、骨(4例)が中央値56カ月(40〜71カ月)、多発(4例)が中央値12カ月(4〜25カ月)だった。この結果から、癌性腹膜炎を2年以内に半数以上が再発していること、骨転移を初発再発とする場合は中央値56カ月と再発時期が非常に遅いことが多いため注意が必要とした。

 組織型については、乳頭線癌型(pap)が1例で血行性転移だった。粘液癌型(muc)、印環細胞癌(sig)、管状腺癌(Tub)、充実型低分化腺癌(Por1)の計58例の半数が血行性転移、残り半分が腹膜、局所、リンパ節転移だった。非充実型低分化腺癌は22例で、そのうち血行性転移が1例で残り21例は腹膜、局所、リンパ節転移だった。

 二次発癌のうち、胃切除時の重複癌については、早期癌患者614例中54例(8.8%)で発生しており、異時性、同時性を含め34例(5.5%)が大腸癌だった。進行癌では402例中19例(4.7%)で発生しており、異時性、同時性を含め11例(2.7%)が大腸癌だった。他癌死については、進行癌患者では402例中わずか1例(0.2%)であったのに対し、早期癌患者では614例中9例(1.5%)と有意に高かった。これらの結果から、二次発癌について、早期癌では特に注意が必要とした。

 サーベイランスの方法は、第一再発の診断方法として特定できた症例においては、定期の画像診断が10例、血液検査が8例、症状及び診察が13例だった。瀬下氏は、1つの診断方法だけでなく、複数の診断方法を組み合わせて検査すべきと指摘した。

 瀬下氏は、これらの結果から、早期癌についてはCTか超音波検査、診察を5年間は6カ月ごとに、進行癌については2年間は4カ月ごと、その後は6カ月ごとに実施する必要があるとした。早期癌は再発率は少ないものの、他癌を発症する例が多く、長期のフォローアップが必要だ。進行癌については、再発頻度が高く、再発までの期間の中央値は1〜2年であるため、検査頻度を高くする必要がある。ただし、再発が50〜100カ月後に起こる例もあることから、注意が必要とした。

●再発時に自覚症状があったのは59%、超音波検査とCTが有効な可能性

 国立病院機構仙台医療センターの手島伸氏らは、94年〜06年までに胃癌再発と診断された96症例について解析した結果を発表した。

 初回手術根治度Aが42例、根治度Bが54例。平均年齢は62.3歳(20-80)、初回ステージは、ステージIaが2例、ステージIbが8例、ステージIIが22例、ステージIIIaが35例、ステージIIIbが12例、ステージIVが17例だった。

 主再発部位は、腹膜転移42例、肝転移28例、リンパ節転移16例、肺転移3例、局所再発5例、骨髄転移(DIC)2例だった。無再発期間は平均755日(中央値444日)。根治度Aで1021日、根治度Bで548日。1年以内の再発は34.6%、3年以内の再発は72.9%、5年以内の再発は87.0%だった。再発部位別の再発までの期間は、腹膜転移712日、肝転移556日、リンパ節転移830日、肺転移377日、局所再発1473日、骨髄転移は2613日だった。

 再発時自覚症状があったのが57例で、腹痛、食思不振、イレウス症状、黄疽、全身倦怠、腫瘤触知、咳など。自覚症状がなかったのは39例だった。

 再発診断時に最も有効であった検査は、超音波検査が21例、CTが15例、単純X線が5例、診察・触診が21例、腫瘍マーカーが6例だった。再発時にCEA、CA19-9、AFPのいずれかが上昇していたのは38例(43.7%)だった。

 再発後の累積生存率は、平均293日(中央値198日)。再発部位別の生存期間は、腹膜転移が248日、肝転移が213日、リンパ節転移が566日、局所再発が380日、肺転移が204日だった。

 再発後、再発巣の切除が可能だったのは7例で、結果的にQOL改善を目的とした姑息手術となったのは27例だった。術後退院が可能だったのは27例、症状の緩和などから有効と判断されたのは30例だった。再手術後の平均生存期間は338日、50%生存期間は240日だった。

 仙台医療センターでの平均的なフォローアップは、早期癌については6〜12カ月ごとの外来受診(診察、採血、超音波/CT、内視鏡など)。進行癌については、術後1〜3年間まで3カ月ごとの診察・検査、3年以降は6カ月ごとの診察・検査を行っている。

 手島氏は、(1)再発後の化学療法ではTS-1+CDDP、さらにタキサン系薬剤、CPT11などのセカンドライン、サードライン治療によって長期生存が得られる症例が増えていること、(2)腫瘍内科、消化器内科、放射線科、緩和チームなどと定期的なミーティングを行い、また地域連携質を利用しての在宅療養など、個々の症例に応じた治療計画を立て、再発胃癌の診療を行っているとした。