進行胃癌を対象にS-1シスプラチンソラフェニブを併用するフェーズI/II試験が、近く日韓中3カ国の4施設で開始されることが明らかとなった。2月28日から29日に横浜市で開催されている第80回日本胃癌学会総会のシンポジウム「切除不能進行胃癌に対する化学療法の新時代」の中で、国立がんセンター東病院消化器内科の大津敦氏が明らかにした。

 計画中のフェーズI/II試験は、3段階にレベルを分けて行われる。レベル1はS-1の40mg/m2の1日2回投与を5週間おきに1日目から21日目まで行い、シスプラチンは8日目に60mg/m2、ソラフェニブは400mgを1日2回投与するもの。レベル2はS-1の250mg/m2の1日2回投与を5週間おきに1日目から21日目まで行い、シスプラチンは1日目に75mg/m2、ソラフェニブは400mgを1日2回投与するもの。レベル3はS-1の40mg/m2の1日2回投与を4週間おきに1日目から21日目まで行い、シスプラチンは1日目に75mg/m2、ソラフェニブは400mgを1日2回投与するもの。

 大津氏は、まず、講演で進行胃癌に対する国内での比較試験結果のまとめを行い、日本の試験で全生存(OS)が良好なのは二次治療以降の影響にあることも指摘した。S-1とシスプラチンの併用は静注5-FUとシスプラチンの併用を上回り、国際標準治療になりうるか、ファートライン無作為化試験の主要評価項目は無増悪生存(PFS)に変えるべきかなどの残された課題を挙げた。そして、今後の方向性として既存の有効薬剤4剤(S-1、シスプラチン、イリノテカン、タキサン)での治療の最適化、二次治療の標準化、分子標的薬など新規薬剤の導入を指摘し、その中でわが国の分子標的薬の開発の現状を明らかにした。

 ソラフェニブ以外にも国立がんセンター東病院で試験を行っている開発早期の分子標的薬として、mTOR阻害剤のRAD001、HDAC阻害剤のSAHA、VEGF阻害剤のVEGF trap(S-1)との併用、MK2461(C-Met TKI)、HER-1/-2二重阻害剤のTAK285、TRAIL-Rアゴニストモノクローナル抗体AMG655があることを明らかにした。