高木病院(福岡県大川市)内科の小野恭裕氏

 経口血糖降下薬OAD)未使用の2型糖尿病患者では、GLP-1受容体作動薬リラグルチドによるHbA1c目標値達成率は高まることが示された。これは、日本人2型糖尿病患者を対象としたリラグルチド国内第3相試験の追加解析から明らかになったもので、5月16日から18日まで熊本で開催された日本糖尿病学会(JDS2013)で、高木病院(福岡県大川市)内科の小野恭裕氏が報告した。

 本検討では、リラグルチド国内第3相試験のデータを追加解析し、リラグルチド投与24週後のHbA1c目標値達成に寄与する因子を、ベースライン時の患者特性から同定した。

 解析に用いたデータは、日本人2型糖尿病患者を対象としたリラグルチド国内第3相試験のもので、リラグルチド単独療法試験からはリラグルチド0.9mg/日を単独投与した268例、併用療法試験からはリラグルチド0.9mg/日とSU薬を併用した88例の患者データを用いた。両試験とも、24週間の二重盲検期間とその後の28週間の非盲検期間から構成されるが、今回の追加解析では、二重盲検期間のデータのみを使用した。

 対象を24週時にHbA1c目標値(試験時点で6.9%未満)を達成した症例と達成しなかった症例に分け、両群のベースライン時の性別、前治療(OADの有無、もしくは、SU薬の種類)、体重、リラグルチド投与のタイミング、糖尿病罹病期間、HbA1c、空腹時Cペプチドを比較検討した。

 まず、ベースライン時HbA1cと24週時のHba1cの変化(ΔHbA1c)は両試験とも負の相関を示し、ベースライン時HbA1cが高いほど24週時ΔHbA1cも大きくなる傾向が認められた(単独療法試験:Pearsonの相関係数r=−0.386、P<0.0001、併用療法試験:r=−0.483、P<0.0001)。

 線形回帰モデルを用いた解析では、リラグルチド投与24週後のHbA1c目標値達成に有意に寄与した因子は、単独療法試験では前治療(偏回帰係数rc=0.3891、P=0.0195)およびベースライン時HbA1c(rc=0.5786、P<0.001)であり、併用療法試験では前治療(rc=0.4981、P=0.0053)、リラグルチド投与のタイミング(rc=0.3782、P=0.0167)、ベースライン時HbA1c(rc=0.4422、P<0.0001)だった。

 ロジスティック回帰モデルを用いた解析では、リラグルチド投与24週後のHbA1c目標値達成に有意に寄与した因子は、単独療法試験では、前治療(オッズ比[OR]:0.47、P=0.0483)、ベースライン時HbA1c(OR:0.47、P<0.0001)であり、併用療法試験では、ベースライン時HbA1c(OR:0.31、P=0.0014)のみだった。

 そこで、単独療法試験の症例を、前治療でのOADのあり/なし、ベースライン時HbA1c 8.4%未満/以上で層別したところ、HbA1c目標値達成率は、OADなし群の方がOADあり群に比べて高く、ベースライン時HbA1c 8.4%未満群の方が8.4%以上群に比べて高かった。また、併用療法試験の症例においても、HbA1c目標値達成率は、ベースライン時HbA1c 8.4%未満群の方が8.4%以上群よりも高かった。

 以上の検討から小野氏は、「OAD未使用の2型糖尿病患者ではリラグルチド投与によるHbA1c目標値達成率は高まることから、目標値達成のためには早期からリラグルチド治療を開始することが重要だ」と結論した。