熊本大学医学部附属病院の三島裕子氏

 近年、補完代替医療(complementary & alternative medicine;CAM)への関心が高まるなか、多くの健康食品やサプリメントが市販されている。それらの中には血糖を下げる効果を強調したものも少なくないが、糖尿病患者におけるこれらの摂取状況についての報告は少ない。熊本大学医学部附属病院に外来で通院している糖尿病患者にアンケートを実施したところ、血糖降下の目的で健康食品やサプリメント(以下CAM)を摂取したことのある患者は全体の約3割で、特に女性に多いことなどが示された。同病院栄養管理部の三島裕子氏らが、5月18日まで熊本で開催されていた日本糖尿病学会(JDS2013)で発表した。

 外来で通院している糖尿病患者に、無記名式のアンケート用紙を配布し、調査を行った。性別、年齢、糖尿病のタイプ、治療内容のほか、CAMの摂取状況、摂取の動機、情報源、摂取期間、費用、満足度など18項目について調査した。

 アンケートに協力した患者は合計117人(男性52人、女性65人)で、平均年齢は男性52歳、女性65歳、平均罹病期間は15.8年だった。

 血糖降下を期待してCAMの摂取したことのある患者は33人(28.2%)だった。そのうち24人が女性で、女性患者の37%が摂取していた。摂取していた期間は、1〜6カ月が最も多く(33%)、全体の約8割は1年以内だったが、5年以上摂取している患者も15%いた。

 CAMにかかる1月当たりの費用については、1000〜5000円が42%で最も多く、次いで5000〜1万円(21%)、1000円未満(15%)で、1万〜5万円(6%)、5万円以上(6%)と高額の患者もいた。

 情報源として最も多かったのは、知人・家族(40%)で、次に新聞広告・テレビ(26%)、雑誌(12%)の順で、病院・医師を情報源としていた患者はいなかった。摂取する前に主治医に相談したと答えた患者は33人のうち6人だった。

 満足度については、「何ともいえない」(61%)が最も多く、満足している人は、「かなり満足」(6%)と、「少し満足」(15%)をあわせて2割に留まった。

 三島氏は、「今回の結果では、女性の糖尿病患者におけるCAM摂取が多いことが示された。摂取者の経済的負担が大きいことが明らかになったが、満足度は高くなく、多くの患者が自己判断で利用していた。日本人の糖尿病患者におけるCAM摂取状況の把握をさらに広く行う必要がある」と話した。