ノボ ノルディスク ファーマのMohamed Eid氏

 新規の持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデク(以下、デグルデク)とインスリン グラルギン(以下、グラルギン)の有効性および安全性を比較検討した2年間の延長試験においても、空腹時血糖値および夜間低血糖の発現リスクはデグルデクで有意に低下したことが明らかになった。ノボ ノルディスク ファーマのMohamed Eid氏らが、5月18日まで熊本で開催されていた日本糖尿病学会(JDS2013)で報告した。

 Eid氏らは、デグルデクの開発プログラム(BEGIN)のうち、インスリン未治療の2型糖尿病患者を対象として実施した第3相試験(割付例数1030例、うちデグルデク投与群773例、グラルギン投与群257例)の52週間の主要試験終了後に、52週間投与期間を延長した計2年間の結果を発表した。

 主要試験に登録された患者は、デグルデクまたはグラルギンの1日1回投与に加え、メトホルミン、さらに必要に応じてDPP4阻害薬などを併用する治療を実施した。52週間の主要試験終了後、インスリン抗体価を測定するため1週間のウォッシュアウト期間を設定し、中間型インスリン(NPHインスリン)を投与した。その後、主要試験における治療と同様の投与方法で52週間の延長試験を実施した。

 デグルデク群の551例、グラルギン群の174例が本試験に引き続き52週間の延長試験に参加した。デグルデク群およびグラルギン群のBMIはそれぞれ30.9kg/m2および31.8kg/m2、糖尿病罹病期間はそれぞれ9.7年と9.0年、HbA1c値はそれぞれ8.1%と8.2%で、患者背景は両群で同様だった。

 主要試験においてHbA1cは両群で投与開始後から低下した。投与後52週におけるHbA1cの変化量について投与群間で有意差はなく、低下量は同程度であった。その後の延長試験では、HbA1cは両群で一定の値で推移しており、投与後105週における変化量についても投与群間で有意差は認められなかった。

 空腹時血糖の検討では、主要試験開始後から両群ともに低下し、デグルデク群のベースラインから投与後52週の低下量はグラルギン群と比較して7.75mg/dL大きかった(P<0.05)。延長試験においても、投与後105週の低下量はデグルデク群で6.49mg/dL大きく、統計的な有意差がみられた(P<0.05)。

 すべての低血糖(症状の有無にかかわらず血糖値56mg/dL未満かつ第3者の処置が必要だった低血糖と定義)の患者当たりの年間発現件数は、主要試験ではデグルデク群がグラルギン群と比較して18%少なく、延長試験でもデグルデク群で17%少なかった(統計的な有意差なし)。

 デグルデク群の夜間低血糖(すべての低血糖のうち0時01分から5時59分までに発現したものと定義)の患者当たりの年間発現件数は、グラルギン群と比較して本試験では36%、延長試験では42%少なく、いずれも統計的な有意差がみられた(いずれもP<0.05)。

 計2年間の試験期間におけるすべての低血糖の患者当たりの年間発現件数は、デグルデク群で1.74件/人・年、グラルギン群で2.06件/人・年だった。夜間低血糖については、デグルデク群で0.27件/人・年、グラルギン群で0.42件/人・年だった。重大な低血糖の発現はいずれの投与群でも少なく、デグルデク群で0.01件/人・年、グラルギン群で0.02件/人・年だった。

 有害事象の患者当たりの発現件数は、デグルデク群で362件/100人・年、グラルギン群で339件/100人・年であり、重篤な有害事象はデグルデク群で15件/100人・年、グラルギン群で17件/100人・年で、群間で大きな違いはなかった。有害事象として下痢などが報告された。

 Eid氏は、「2年間の試験でも、デグルデクは空腹時血糖値の改善しつつ、夜間低血糖の発現は少ないものだった。この結果から、デグルデクの有効性とともに、その安全性および良好な忍容性を裏付ける結果が示されたと言えるだろう」とまとめた。