ノボ ノルディスク ファーマの木村佳正氏

 1型および2型糖尿病患者インスリン デグルデク(以下、デグルデク)を皮下投与した場合、血中濃度は投与開始後2〜3日で定常状態に達することが示された。糖尿病患者を対象にデグルデクの薬物動態および薬学的作用を検討した3つの臨床薬理試験の解析により明らかになったもので、5月18日まで熊本で開催されていた日本糖尿病学会(JDS2013)で、ノボ ノルディスク ファーマの木村佳正氏が報告した。

 Basalインスリンを用いた治療の目的は、1日24時間を通じてインスリン作用を安定的に持続させることにある。作用持続時間が24時間以下のインスリン製剤を1日1回反復投与した場合、低値からピーク値へと上昇して再び減少する作用プロファイルを示す。これに対して作用持続時間が24時間を十分に超えるインスリン製剤を1日1回反復投与した場合、ピーク/トラフ間の差が縮まり、安定かつ平坦な作用プロファイルが得られる。

 持効型インスリン製剤であるデグルデクは半減期が約25時間で、血糖降下作用が1日を通じて一定で作用持続時間は42時間を超えるという新しいBasalインスリンである。用量調節行う際には、血中インスリン濃度が定常状態になるまでの時間を知ることが重要となる。

 今回の検討では、薬物動態および薬力学的作用を検討した3つの臨床薬理試験のデータを用いた。試験1では1型糖尿病患者を対象にデグルデクを0.4 U/kgで12日間、試験2では1型糖尿病患者を対象にデグルデクを0.4、0.6、0.8 U/kgで8日間、試験3では2型糖尿病患者を対象にデグルデクを0.4、0.6、0.8 U/kgで6日間、それぞれ1日1回皮下投与した。

 臨床的な定常状態に達するまでの時間は、初回投与時から、血中デグルデク濃度のトラフ値が最終的に定常状態(プラトー)となった値の90%を超えるまでの時間として推定した。

 解析の結果、1型糖尿病、2型糖尿病ともに、血中デグルデク濃度は投与開始後2〜3日で定常状態に達することが示された。

 デグルデクを3用量で投与した試験2および試験3では、定常状態に達するまでの時間とデグルデク投与量に関連性は認められなかった。また、定常状態での血中デグルデク濃度(薬物曝露量)は日間で一定であり、定常状態に達した後の血中デグルデクのトラフ濃度は一定となることが示唆された。

 以上の検討から木村氏は、「1型および2型糖尿病患者にデグルデクを皮下投与した場合、その血中濃度は投与開始2〜3日で定常状態に達する」と結論した。