日本生命済生会附属日生病院総合内科の森田真也氏

 グリコアルブミンGA)は、採血時点の1カ月前からの平均血糖状態を反映する指標で、HbA1cに比べて血糖変動をより強く反映するとされる。2型糖尿病患者の過去1年間のHbA1cとGAの平均値について、糖尿病合併症との関連を調べたところ、平均GAは糖尿病性網膜症の独立した関連因子であることなどが示された。5月18日まで熊本で開催されていた日本糖尿病学会(JDS2013)で、日本生命済生会附属日生病院総合内科の森田真也氏らが発表した。

 対象は、同病院の2型糖尿病患者で、糖尿病罹患期間が5年以上、過去1年間のHbA1cとGAを同時に6回以上測定している64人(平均年齢65歳、男性40人)だった。

 1年間の平均HbA1cは7.5±0.9%、GAは21.3±4.5%。各合併症の有病率は、神経障害50%、腎症44%、網膜症48%だった。

 糖尿病性網膜症の有無で、網膜症あり群と網膜症なし群に分けて分析すると、網膜症あり群は、なし群に比べて有意に罹病期間が長く(18年 対 11年、P=0.0006)、平均GAが高かった(22.9% 対 19.7%、P=0.004)が、HbA1cについては両群で差が見られなかった。

 同様に、腎症と神経障害のそれぞれについて、合併あり群となし群で比較したところ、いずれの場合も合併がある群はない群に比べて罹病期間が有意に長かったが、GA やHbA1cについては差がなかった。

 多変量解析(ステップワイズ法)を行った結果、糖尿病網膜症に関連する有意な説明変数は、平均GAと罹病期間の2つだった(R2=0.226、P=0.004)。一方、腎症や神経障害については、いずれも有意な説明変数は罹患期間のみで、平均GAは有意な説明変数ではなかった。

 森田氏は、「本研究では、糖尿病性網膜症については、平均GAが独立した関連因子であることが示されたが、平均HbA1cについては関連を認めなかった。GAは、HbA1cよりも血糖変動を強く反映することが報告されており、そうした血糖変動の激しさが網膜症の発症に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられる。また、腎症や神経障害については、平均GA、HbA1cともに関連が見られなかったが、これらの合併症は高血糖以外の要因(遺伝素因や高血圧、代謝異常など)の関与が考えられるためではないか」などと考察した。