原瀬歯科医院(愛媛県松山市)の原瀬忠広氏

 歯科外来受診者に対して、口腔内評価と糖尿病既往の問診を行い、随時血糖値を測定したところ、歯周病進行度は随時血糖値の独立した関連因子であることなどが示された。5月18日まで熊本で開催されていた日本糖尿病学会(JDS2013)で、原瀬歯科医院(愛媛県松山市)の原瀬忠広氏らが発表した。

 糖尿病と歯周病との関連については、最近注目が高まっており、糖尿病治療ガイドにおいても、2008年版から歯周病は糖尿病の重大な合併症の1つであることが記載されている。

 そこで、愛媛県歯科医師会と愛媛大学で設立した愛媛Dental Diabetes研究会に属する20施設の歯科外来受診者670人を対象に、糖尿病の既往歴を聴取し、随時血糖値の測定などを行った。血糖測定器は、プレシジョンエクシード(アボットジャパン)を用いた。

 口腔内の評価は、残存歯数、BOP(bleeding on probing、プロービング時の出血)の本数、歯周病進行度(P1;軽度、P2;中等度、P3;重度)、CPI(community periodontal index、code 0〜4)、ORI(oral rating index、口腔内所見)について行った。

 対象者は、平均年齢61歳、BMI 23.5kg/m2、平均随時血糖値134mg/dLで、糖尿病の既往歴があった患者は23.8%(125人)だった。随時血糖値が200mg/dL以上だった患者は全体の10%で、そのうち29%は未治療で、16%は糖尿病を指摘されていなかった。

 糖尿病治療中の患者(106人)の平均随時血糖値は191mg/dLで、200mg/dL以上の患者は39%に上った。

 糖尿病の既往歴あり群(125人)と既往歴なし群(400人)を比較すると、既往歴あり群のほうが随時血糖値が有意に高かった(181mg/dL 対 115mg/dL、P<0.001)。

 また、既往歴なし群よりも既往歴あり群のほうが、歯周病の進行度が重度(P3)の割合が多かった(29.6% 対 11.1%)。

 次に、多変量解析によって随時血糖値との関連を検討したところ、年齢(P=0.008)、BMI(P=0.001)、歯周病進行度(P=0.013)のみが有意な関連因子だった。

 「糖尿病の既往を有する患者の随時血糖値は181mg/dLと高値だった。よって、歯科医院での糖尿病既往の問診は、潜在的な高血糖を予測する上で有用と考えられる。また、歯周炎進行度は、年齢、BMIと独立して、随時血糖値と関連することが示された」とまとめた。