北里大学北里研究所病院診療技術部栄養科の島田真理子氏

 昨今、糖質制限食に対する関心が高まっているが、実地臨床における有効性を検討した報告は少ない。そこで、北里大学北里研究所病院に通院中の2型糖尿病患者を対象に糖質制限食指導を行ったところ、指導後6カ月後にはHbA1cや体重、中性脂肪、HDL-コレステロールなどが有意な改善を示した。同病院診療技術部栄養科の島田真理子氏らが、5月16日から熊本で開催されている日本糖尿病学会(JDS2013)で発表した。

 対象は2013年3月31日の時点で、管理栄養士が1回以上の糖質制限食の栄養指導を行い、指導後6カ月間経過観察できた2型糖尿病患者94人(平均年齢60.1歳)。糖質制限を導入した患者は、カロリー制限の離脱者、または本人の希望によりドクター指示があった患者のみとした。糖質摂取量は、1食当たり20〜40g、1日当たり70〜130gに制限した。

 指導前と指導後6カ月を比較したところ、HbA1c(%、NGSP)は8.2から7.2へと有意に低下した(P<0.001)。また、体重(73.2kgから71.8kg、P<0.001)、HDL-コレステロール(57.9mg/dLから65.1mg/dL、P<0.001)、中性脂肪(155.6mg/dLから138.1mg/dL、P<0.05)の有意な改善も見られた。LDL-コレステロールについては有意な変化を示さなかった。

 低血糖(BG70mg/dL以下)の出現率は、指導前0.23%に対し、指導後2カ月までは2.65%、2〜4カ月で1.74%、4〜6カ月で1.81%だった。

 島田氏は、「今回の結果から、カロリー制限食を遵守できない患者にとって、糖質のみの指導を行う糖質制限食指導は有効と考えられた。ただし、外食が多い患者の場合などには難しいといった課題もある」と話した。