川崎医科大学附属病院栄養部の倉恒ひろみ氏

 糖尿病患者食事療法では、適正なエネルギー摂取に留意するのが基本だが、1日の総摂取エネルギーの多くを夕食でとっているケースは少なくない。夕食の摂取エネルギーが、朝食や昼食よりも多い夕食ボリューム型の食事をしている2型糖尿病患者は、非夕食ボリューム型の患者に比べて、朝食前血糖値、中性脂肪、レムナントコレステロールが有意に高いことが明らかになった。5月17日に横浜で開幕した第55回日本糖尿病学会(JDS2012)で、川崎医科大学附属病院栄養部の倉恒ひろみ氏らが発表した。

 対象は、2型糖尿病患者89人(うち男性43人)。3日間の食事の聞き取り調査を行い、夕食のエネルギー摂取が朝食と昼食の平均摂取エネルギー量の150%を超えた人を夕食ボリューム型群(39人、男性21人)とし、150%未満を非夕食ボリューム型群(50人、男性22人)とした。空腹時採血により、HbA1c、血漿脂質、レムナントコレステロール(RLP-C)を測定した。

 その結果、夕食ボリューム型と非夕食ボリューム型の2群間で、男女比、BMI、総エネルギー摂取量、食塩摂取量、食物繊維量にいずれも差はなかった。

 1日の総脂質摂取量のうちの夕食の脂質摂取量の割合は、夕食ボリューム型群43%、非夕食ボリューム型群31%で、有意に夕食ボリューム型群で高かった(P<0.01)。

 2群間でHbA1cに差はなかったが、朝食前血糖値は有意に夕食ボリューム型群が非夕食ボリューム型群よりも高かった(136mg/dL 対 119 mg/dL、P<0.01)。中性脂肪(202 mg/dL 対 115 mg/dL)、RLP-C(7.1mg/dL 対 4.6mg/dL)も夕食ボリューム型群が高いという結果だった(いずれもP<0.01)。

 また、動脈硬化症に着目すると、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、ASOと診断された人の割合は、夕食ボリューム型群の方が非夕食ボリューム型群よりも有意に高かった(31% 対 8%、P<0.01)。

 倉恒氏は、「夕食ボリューム型の食事をしている患者は、血糖、中性脂肪、レムナントコレステロールが高値であることが明らかになった。栄養指導を行う際には、1日の総摂取エネルギー量だけでなく、食事時間別のエネルギー摂取量や脂質摂取量に留意することが重要であろう」と考察した。

(日経メディカル別冊編集)