糖尿病による神経障害の1つとして、排尿障害が知られている。第52回日本糖尿病学会年次学術集会最終日の5月24日、滋賀医科大学内科学講座の真田充氏らは、糖尿病患者における排尿障害の臨床症状を調査した結果をポスターセッションで報告した。

 対象は、調査に対し同意を得られた2型糖尿病患者1217人(男性687人、女性519人、性別記載なし11人、平均年齢64.6歳)。平均罹病期間は13.0年で、37.0%が糖尿病性神経障害を合併していた。合併症としては神経障害が最も多く、次いで腎症31.1%、網膜症24.7%だった。対象者を65歳未満か65歳以上かに分けて検討したところ、神経障害については65歳未満30.9%に対し、65歳以上では45.5%と半数近くに達していた。

 さらに、調査時に尿路感染症を認めない42人(男性21人、女性21人、平均年齢65.6歳)を対象に、排尿障害に関する自覚症状についてアンケートを実施。また、超音波膀胱容量検査を用いて、排尿直後の膀胱内残尿量を計測した。

 その結果、残尿量が100mL以上で排尿障害ありと評価した患者は9人で、年齢層別にみると65歳未満で5人(23.8%)、65歳以上では4人(19.0%)だった。

 真田氏は「65歳以上の患者は神経障害を有する確率が高く、また4人全員が無症状だった。高齢の糖尿病患者では、無症状であっても排尿障害が生じている可能性を念頭に置く必要がありそうだ」と指摘した。