せいの内科クリニックの清野弘明氏

 インスリン分泌能が残存している、強化インスリン療法施行中の2型糖尿病患者に対して、SU薬グリメピリド1mg内服を追加したところ、4カ月後にHbA1cが有意に低下したという成績が、第52回日本糖尿病学会年次学術集会で報告された。24日のポスターセッションにおいて、せいの内科クリニック(福島県郡山市)院長の清野弘明氏が発表した。

 強化インスリン療法を行っても、良好な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者は少なくない。清野氏は、こうした患者でインスリン分泌能が残存している場合の次の一手として、グリメピリド少量内服追加の意義を検討した。

 対象は、基礎インスリン、ボーラスインスリンによる強化インスリン療法を施行中で、空腹時のCPRが0.5ng/mL以上を示し、インスリン分泌能が残存していると考えられた2型糖尿病患者15例(男性8例、女性7例)。グリメピリド朝1回1mg内服を追加する9例(グリメピリド追加群)と追加しない6例(対照群)に分けた。2群とも、検討期間中は基本的にインスリン投与量を変更しないこととした。

 グリメピリド追加群、対照群で、男女比、平均年齢に有意差はなく、平均糖尿病罹病期間は18年前後、平均BMIは25kg/m2前後で、いずれも2群間で有意差はなかった。検討開始前の平均HbA1cは、グリメピリド追加群8.78%、対照群7.68%。空腹時の平均CPRは、グリメピリド追加群1.11ng/mL、対照群0.87ng/mL。1日インスリン投与量の平均は、グリメピリド追加群0.83単位/kg、対照群0.79単位/kg。これらの患者背景についてはいずれも、2群間で有意差はみられなかった。

 グリメピリド内服を4カ月継続し、HbA1cの推移を調べたところ、平均HbA1cは検討開始前の8.78%から4カ月後に7.11%へと有意に低下した(p<0.001)。一方、対照群では検討開始前7.68%、4カ月後7.35%で、有意な変化は認められなかった。グリメピリド追加群では、患者の多くが「グリメピリドにより血糖が改善したと」いう印象を持っていたという。

 「内因性インスリン分泌能を有している2型糖尿病患者で、強化インスリン療法を行っても効果がなかなか明確にならない場合、グリメピリド1mg内服をオンすることで、血糖コントロールを有意に改善できることが分かった」と清野氏。血糖コントロール改善の機序については、「門脈内インスリンによって肝臓における糖代謝が改善する作用やインスリン感受性増強作用が推測される」としている。
(高橋義彦=医学ライター)