以前から、C型肝炎ウイルス感染者では糖尿病の合併頻度が高いことが報告されているが、糖尿病がC型肝炎治療に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになった。第52回日本糖尿病学会年次学術集会3日目の5月23日、甲南病院内科の西田真美香氏がポスターセッションで報告した。

 対象はC型慢性肝炎患者41人。PEG-インターフェロン+リバビリン療法を48週行った後、糖尿病罹患の有無によって治療効果が異なるかどうかを調べた。糖尿病のある患者(糖尿病群)は12人、糖尿病のない患者(非糖尿病群)は29人だった。

 治療終了後24週時点でのC型肝炎ウイルスのRNA陰性化の割合(SVR率)を調べたところ、非糖尿病群では58.6%だったのに対し、糖尿病群では41.7%にとどまった。肥満や脂質異常症、メタボリックシンドロームがあっても、SVR率は低値を示す傾向があった。治療開始後4週時のC型肝炎ウイルスのRNA陽性かつ12週時のC型肝炎ウイルス陰性化、またはC型肝炎ウイルスの2log以上減少の割合についてみても、非糖尿病群では79.3%だったのに対し、糖尿病群では33.3%にとどまった(p<0.01)。

 非糖尿病群では肝癌の危険因子とも言われる肝線維化がみられた割合が40.9%だったのに対し、糖尿病群では50.0%だった。

 西田氏は「C型肝炎ウイルスがインスリン抵抗性を誘導し、インスリン抵抗性が肝線維化を進行させるとの報告もある。C型肝炎かつ糖尿病を有する患者では、十分考慮した治療が必要だ」と言及した。