インスリン頻回注射療法集学的治療を比較的早期に導入した人は、長期予後が著しく改善することが報告された。17年間の追跡研究で明らかになった。たとえば17年後の生存率は、導入まで時間のかかった長期放置群が60%だったのに対し、早期導入群は96%と高かった。成果は、木戸病院糖尿病内科津田晶子氏が5月22日、第52回日本糖尿病学会年次集会の口演セッション「2型糖尿病」で発表した。

 演者らは、自験例を対象に、HbA1c値が10%以上でインスリン頻回注射療法と集学的治療を導入した患者のうち、自律神経障害を認めない比較的早期に強化治療に取り組んだ40例(早期治療群)と強化治療開始まで時間のかかった40例(長期放置群)を追跡し、両群の長期予後を比較検討した。追跡期間は17年で、ほぼ全員を追跡できた。

 強化治療は、血糖コントロールHbA1c6%以下・血圧130/80未満、LDL値120以下を目標に掲げ、教育入院での生活指導、血糖自己測定(SMBG)指導、薬物療法を実施した。その上で、両群で、各指標と細小血管障害、心血管疾患、生命予後について比較検討した。

 その結果、HbA1c値は早期治療群が6.3%、長期放置群が6.8%、インスリン治療離脱率は76%と30%となり、早期治療群で成績がよかった。血圧とLDL値には差を認めなかった。また、17年後の生存率は、早期治療群が96%、長期放置群が60%、心血管疾患合併率は2.5%と15%、網膜症進行率は7.5%と77.5%、腎症進行率は7.5%と17.5%という結果だった。いずれも、早期治療群が長期予後が著しく改善していることを示していた。