インスリンの標的臓器である骨格筋2型糖尿病発症との関係を明らかにするため、その筋肉量を反映すると考えられている血清クレアチニン値と2型糖尿病発症との関連性を前向きコホート研究(The Kansai Healthcare Study)で検討したところ、「血清クレアチニン低値は2型糖尿病の発症リスクである」ことが明らかになった。大阪市立大大学院医学研究科産業医学の針田伸子氏らが5月22日、第52回日本糖尿病学会年次集会の口演セッション「2型糖尿病」で発表した。

 演者らは、2000年度に定期健診を受けた40〜55歳の男性で、登録時に糖尿病がなく、血清クレアチニン値が2.0mg/dL未満だった人で、4年間追跡できた8570人を対象にコホート研究を行った。解析は多重ロジスティック回帰分析で行った。

 4年間の追跡の結果、2型糖尿病を発症した人は877人だった。追跡できた8570人の発症率は10.2%だった。

 登録時の血清クレアチニン値が0.71-0.80mg/dLを示した群と0.40-0.60mg/dLを示した群を比較したところ、多変量解析後のオッズ比は1.91(95%信頼区間、1.44-2.54)だった。この関係は、年齢やBMI、空腹時血糖値や飲酒量、さらには喫煙習慣、通勤時歩行時間、運動習慣、糖尿病家族歴とも独立していた。

 これらの結果から演者らは、「血清クレアチニン低値は2型糖尿病の新たな発症リスクであることが明らかになった」と結論した。なお、この成果については、Diabetes Care誌(March 2009 32:424-426、Lower Serum Creatinine Is a New Risk Factor of Type 2 Diabetes)で発表している。