耐糖能異常境界領域(いわゆる境界型)の人は、75g経口ブドウ糖負荷試験75gOGTT)時の血糖平均値が168mg/dL以上の場合、糖尿病へ進展する可能性が高いことが示された。境界型の病態悪化因子を解明する研究で明らかになったもので、NTT関東病院予防医学センター藤林和俊氏らが5月21日、第52回日本糖尿病学会のポスターセッションで発表した。

 演者らは、人間ドックで、3年以上の間隔を空けて2回以上の75gOGTTを受けた男性を対象に、境界型の人の病態悪化因子の解明を試みた。

 平均観察期間は4.8±1.7年だった。初回75gOGTTで境界型と判定され、最後の75gOGTTで糖尿病と判定された人は24人だった(DM群)。一方、初回75gOGTTで境界型と判定され、最後の75gOGTTでも境界型だった人は144人(TIGT群)、正常化していた人は81人(NGT群)だった。

 これらの群間で、リスク因子の多重ロジスティック回帰分析を行った。その結果、TIGT群とDM群では、「初回OGTT時血糖平均値(AvePG)168mg/dL以上」は、糖尿病発症の独立したリスク因子であった(オッズ比7.86、p<0.0001)。一方、NGT群とTIGT群では、AvePG144mg/dL以上は、境界型のままである(NGTにはならない)ことの独立したリスク因子であった(オッズ比2.01、p<0.0001)。

 これらの結果から演者らは、75gOGTT時のAvePGの上昇は、糖尿病発症の独立したリスク因子であると結論。特に、AvePGが168mg/dL以上の症例は、糖尿病に進展する可能性が高いと考察し、注意が必要であると指摘した。