金沢大学の武田仁勇氏

 原発性アルドステロン症PA)は、治療抵抗性高血圧の主要な要因の1つとされる。低カリウム血症を前提とする古典的PAのスクリーニングに代わり、2000年以降、アルデステロン濃度/レニン活性比(PAC/PRA比)によるスクリーニングが実施されるようになり、PAの患者が多く発見されるようになった。3月17日まで横浜で開催されていた第77回日本循環器学会(JCS2013)で、金沢大学の武田仁勇氏らがPA患者の臨床データや治療結果を発表し、治療抵抗性高血圧の対策としてPAの早期診断・治療の重要性を訴えた。

 同氏によると、PAC/PRA比でスクリーニングし、その後カプトリル負荷試験によって診断を行うと、正常〜軽症以上の高血圧患者の約11%がPAと診断されるという。

 また、PAC/PRA比でスクリーニングされるようになった2000年以降と1980〜1990年とで、PA患者の臨床像を比較すると、2000年以降に診断されたPA患者の方が、血圧が低く、血清カリウム値は高かった。武田氏は、「PA患者の血清カリウム値を調べると、低カリウム血症(3.6mEq/L以下)を示すのは21%だった。つまり、従来の古典的なスクリーニングでは、約8割のPA患者が見逃される可能性がある」と指摘した。

 次に、PAC/PRA比でスクリーニング後、さらに副腎静脈サンプリングで診断に至ったPA患者206人のデータを示した。これらの患者の約8割(215人)はエプレレノンのみ、またはエプレレノン+1剤の降圧薬による治療が有効だった。残る21%(45人)はエプレレノンを含む3剤以上の降圧薬が必要な治療抵抗性例だった。

 治療抵抗性だった症例群と治療有効症例群とを比較すると、2群間で血清カリウム値やPAC/PRA比に有意差はなかったが、治療抵抗性症例群の方が、血圧と血清クレアチニン値が有意に高かった(それぞれP<0.001、P<0.05)。

 武田氏は、「現在、PA患者の多くはPAC/PRA比によるスクリーニングをきっかけに発見されている。PA患者のうち約8割はエプレレノンおよび降圧薬による治療でコントロール可能であり、PAを早期診断し、治療を行うことが治療抵抗性高血圧患者の治療において重要だと考える」と語った。