総合新川橋病院(神奈川県川崎市)の田中守氏

 冠動脈疾患CAD)の予測因子として、頸動脈最大内膜中膜肥厚max IMT)と、冠動脈石灰化を測定する冠動脈カルシウムスコアCS)の2つの指標が注目されている。これらと有意狭窄の有無との関連を調べたところ、多変量解析においてmax IMTの方がより優れた予測因子であることが示唆された。3月15日から17日まで横浜で開催されていた第77回日本循環器学会(JCS2013)で、総合新川橋病院(神奈川県川崎市)の田中守氏らが発表した。

 対象は、2010年9月〜2012年6月までに同病院で冠動脈造影を行い、6カ月以内にCTでCS計測(agatstone score)と頸動脈エコーによるIMT計測を実施した568人(平均年齢71.6歳、男性59.2%)。

 冠動脈造影で有意狭窄(75%狭窄以上)と判定したCAD群と、それ以外の非CAD群に分けて検討した。

 単変量解析を行い、CADの有意な予測因子について調べたところ、CS(>206点)、max IMT(>1.1mm)、糖尿病、脂質異常症、喫煙歴、性別が有意な予測因子となった。一方、多変量解析を行ったところ、CADの有意な予測因子は、糖尿病、脂質異常症、max IMT(>1.1mm)となり、CS(>206点)や喫煙歴、性別では有意な結果が得られなかった。

 これらの結果を踏まえ田中氏は、「CSは、最も優れたCADの予測因子であるとの報告も見られる。本研究でも、そのような結果を想定していたが、max IMTの方が予測因子として優れている可能性が示唆された。とはいえ、CSは低被爆で造影剤を使わずに行える比較的簡便な検査であるので、リスクの高い患者については、max IMTとCSの両方の指標で診ていくというのが望ましいかもしれない」と話した。