会長を務める日本医科大学医学部長の水野杏一氏

 第77回日本循環器学会が3月15日、快晴の横浜で開幕した。大会のテーマは「世界へ翔く日本の循環器病学」。会長を務める日本医科大学医学部長の水野杏一氏は、日本の循環器病学の奮起を願って、このテーマを設定したという。一方、プログラムでは「ハーモニー」をキーワードにした構成も特徴の1つ。連動して、座長の8%を女性会員に務めてもらうなど、女性の活躍の場を広げるための“大きな一歩”を踏み出した点が特筆される。全国から2万人の参加が見込まれており、17日までの3日間、「循環器病学の最新知見」をめぐる熱い議論が展開される。

 水野氏は、なぜテーマを「世界へ翔く日本の循環器病学」としたのかと問われて、特に若い医師を意識し、「世界を知って欲しい。また世界へ羽ばたいて欲しい」との強いメッセージを込めたかったと語っている。開催地の横浜は、世界へ開かれた港町として歩んできた。この地の利を得て、日本の循環器病学の発信力を高めたいと願ったのだともいう。こうした想いは、プログラムにも色濃く現れている。例えば会長特別企画の「世界へ翔く循環器医学の発見・発明“メイド・イン・ジャパン”」、IPS細胞を筆頭に日本が世界をリードする再生医療のセッション、日本発の循環器系薬剤の代表格であるスタチンに焦点を当てた講演、さらには日進月歩の画像技術の最前線を集約するInternational Imaging Conferenceなどが挙げられる。

大会事務局長を務める日本医科大学の安武正弘氏

 大会事務局長を務める安武正弘氏によると、今大会から初めて取り組むプログラムも目白押しだ。その代表格が「case-based discussion」。「医の原点にもどり、患者さん(症例)から学ぶ」(水野氏)という場を提供するのが目的で、アンケートアナライザーを駆使した参加型のプログラムが展開される。また、海外学会でおなじみのランニング・ウォーキングも取り入れた。「みなとみらい Fun Run/Walk」と題して、大会3日目の早朝、みなとみらい地区でランニングあるいはウォーキングを楽しむ会が催される。

 プログラムの内容面では、大会ポスターやプログラム集の表紙を飾る指揮者の手に象徴される「ハーモニー」をキーワードにしたセッションが目立つ。「理想的な医療現場とは? ―各界からの提言―」もその1つ。国際組織でのプロジェクト経験が深い元宇宙飛行士の山崎直子氏をはじめ、企業のワークバランス先駆者として知られる東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫氏、働く女性リーダーでロールモデルでもある厚生労働省の村木厚子氏らが登壇し、医療界への提言を行う。

事務局長補佐を務める日本医科大学の塚田弥生氏

 事務局長補佐の塚田弥生氏は、座長の8%を女性会員が務めるのも大きな特徴と指摘する。「ハーモニー」を意識した運用面での対応であり、女性会員の活躍の場を拡大するための一環として、今は「8%」という小さな数字ではあるが、学会としては大きな一歩を踏み出すことになった。

 大会規模は、一般演題が2378題にのぼり、コメディカルセッションの387題をあわせると3000題近い発表が予定されている。また参加者は、約2万人と見込まれている。