筑波大附属病院水戸地域医療教育センターの酒井俊介氏

 家庭血圧の測定で、1機会に2回測定すると異なる値になることが多いが、1回目の方が2回目よりも高頻度で高い傾向を示す場合、大血管の硬化の亢進や早朝高血圧と関連することが示唆された。3月16日から福岡で開催されている第76回日本循環器学会(JCS2012)で筑波大附属病院水戸地域医療教育センターの酒井俊介氏らが発表した。

 対象は、茨城県内の101の医療機関を対象とした大規模な高血圧研究(I-HAT)に登録した高血圧患者2433人(平均年齢67.1歳)。2週間にわたり起床時、日中、就寝前に、それぞれ連続して2回血圧を測定した。

 その結果、起床時の収縮期血圧測定全体(延べ2万232回)を分析すると、1回目の方が2回目よりも高値が61.4%、2回目の方が1回目よりも高値は33.5%だった。一方、個人別にみると、起床時収縮期血圧が1回目の方が2回目よりも高かった頻度は平均で63.2%だった。そこで同割合が80%以上だった症例(1回目高値高頻度群、131人)とそれ以外の症例(対照群490人)を比較したところ、1回目高値高頻度群は対照群に比べて、起床時収縮期血圧が有意に高値だった(141.0mmHg 対 134.0mmHg、P<0.0007)。一方、起床時拡張期血圧については有意な差は見られなかった。

 さらに酒井氏は、「1回目高値高頻度群では、起床時1回目の脈圧も有意に大きく(61.1mmHg 対 55.5mmHg、P<0.0001)、大血管硬化が亢進していることも示唆された。また、起床時と就寝前の血圧差も大きく、早朝高血圧の頻度も高かった。1回目の測定が高値の傾向が強い場合は、冠動脈疾患リスクが高い可能性があることが示された」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)