会長を務める鹿児島大学教授の鄭忠和氏

 愛と情熱。これは何事を始めるにも必ず必要なものだ」。日本循環器学会の第76回学術集会が3月16日、雨模様の福岡で開幕。会長を務める鹿児島大学教授の鄭忠和氏は開会式の挨拶の中で、「愛と情熱」をメーンテーマに掲げた理由を語った。締めくくりには「熱く刺激的な3日間になることを祈念する」と開幕を高らかに宣言。九州からアジア、そして世界へ向けた最新知見の発信が始まった。

 桜島を背景に登壇した鄭氏。開催地の福岡に、あえて鹿児島のシンボルを重ね合わせ、九州11大学の循環器チームが結集して実現できた大会であることを強調した。

 冒頭、鄭氏は、東日本大震災の犠牲者に対し哀悼の意を表した。被災地はいまだ復興途中にある。「愛と情熱」を掲げたもう1つの理由として鄭氏は、幾多の困難を、ともに乗り越えていくというメッセージを込めたかったとも語っていた。

 一方、今大会のサブテーマは「アジアから世界へ」。九州、特に福岡は物流はもちろん人的交流においてもアジアの中心的な役割を担うようになっている。その福岡で開催される日本循環器学会は、英語化に踏み切ってから10年と、国内学会でありながら国際学会としての性格を強めてきた。今回は、海外から300人余の専門家らを招き、国際学会としての位置づけをさらに強化している。

 学術集会を通じて世界の専門家らとの交流を図り、自らもアジア、世界へと情報を発信して欲しい――。鄭氏が学会参加者、特に若い人に望む思いである。

 大会期間中、福岡に1万8000人もの循環器に携わる専門家らが集結する。

(日経メディカル別冊編集)