アンジオテンシン受容体拮抗薬ARB)とカルシウム拮抗薬CCB)の併用は、臓器保護の観点から多くのエビデンスに支持される降圧薬併用パターンの王道であるが、降圧効果とともに心血管イベントの抑制効果も期待するのであれば、CCBの種類にまでこだわる必要がありそうだ。東京女子医科大学循環器内科の小柳亮氏らは、ARBカンデサルタンとの併用薬にアムロジピンを用いた場合のイベント発生は、他のCCBを用いた場合に比べて38%抑制されたことを、5日から京都市内で開催されている第74回日本循環器学会総会・学術集会にて発表した。

 本検討は、高血圧を合併した冠動脈疾患(CAD)患者2049例を対象に、カンデサルタンをベースとする降圧治療とARB以外の薬剤をベースとする降圧治療の心血管イベント抑制効果を4.2年(中央値)にわたって追跡した日本人における大規模臨床試験HIJ-CREATE(Heart Institute of Japan Candesartan Randomized Trial for Evaluation in Coronary Artery Disease) のサブ解析としてなされたもの。同試験では、カンデサルタン群(n=1024)のうち335例がジヒドロピリジン(DHP)系CCBを併用。うち170例がアムロジピンの併用例であった。

 小柳氏らは、これらの患者(アムロジピン群;n=170)と他のDHP系CCB併用患者(非アムロジピン群;n=165)のデータを抽出し、両群における主要な心血管イベント(MACE)の発生率を比較した。MACEの定義は、(1)心血管死、(2)非致死的心筋梗塞、(3)入院を要する不安定狭心症、(4)入院を要する心不全、(5)入院を要する脳卒中、(6)入院を要する他の心血管イベントとされた。

 その結果、アムロジピン群では非アムロジピン群に比して38%の有意なMACEの抑制が認められた(p=0.025)。また、非致死的心筋梗塞については73%、不安定狭心症についても48%の有意な抑制が認められた(それぞれp=0.049、p=0.022)。

 なお、ベースライン時の両群の背景因子には、女性比率(アムロジピン群14.1% vs非アムロジピン群25.5%)、PCI施行率(同85.9% vs 75.8%)、収縮期血圧の平均値(同135.2mmHg vs 139.0mmHg)、アスピリン服用率(同97.1% vs 86.7%)の各項目に有意な偏りが認められた。これらの因子について補正した結果、非致死的心筋梗塞の発症抑制における有意差は消失したが(HR 0.32[95%CI:0.08-1.21]、p=0.093)、全MACEならびに不安定狭心症に対する有意差は認められた(それぞれ37%低下;p=0.040、48%低下;p=0.026)。

 以上のように、高血圧を合併したCAD例に対するカンデサルタン+アムロジピンの併用療法は、アムロジピン以外のDHP系CCBを用いた場合に比べ、心血管イベントの抑制効果に優れることが示唆された。アムロジピン群と非アムロジピン群の降圧効果は同等であったことから、「アムロジピンには降圧とは異なるなんらかの作用があるのではないか」と小柳氏らは推測している。

(日経メディカル別冊編集)