滋賀医科大学准教授の三浦克之氏

 日本の食塩摂取量は欧米に比べて多く、高血圧への移行を防ぐためにも、あらためて減塩の重要性を認識する必要がありそうだ。3月20日から22日にかけて大阪で開催された第73回日本循環器学会総会・学術集会のプレナリーセッション「食塩と高血圧」で、滋賀医科大学准教授の三浦克之氏(写真)は、日本における減塩の必要性を強調した。

 高血圧のリスク因子の1つである食塩。これまでの疫学研究などから、食塩摂取量が多い人では、加齢に伴う収縮期血圧の上昇が大きくなることが分かっている。

 三浦氏は、1996年から99年にかけて実施され、現在も解析が続いているINTERMAP(International Study of Macro-Micro nutrients and Blood Pressure)研究の結果を紹介した。INTERMAP研究の対象は、日本、中国、英国、米国の4カ国17集団で、40歳から59歳の男性2359人、女性2321人の合計4680人。

 4回の訪問時に合計8回、血圧を測定し、2回の24時間蓄尿による尿中ナトリウム排泄量尿中カリウム排泄量から食塩摂取量を算出。24時間思い出し法により栄養調査を実施して、血圧に影響を及ぼす食事因子、特にたんぱく質や炭水化物などの主要栄養素と、微量栄養素の役割を明らかにする疫学研究だ。

 研究の結果、平均食塩摂取量は、日本の男性で12.3g、女性で10.9g、中国の男性で14.3g、女性で12.3g、英国の男性で9.4g、女性で7.5g、米国の男性で10.7g、女性で8.3gとなり、依然として欧米よりも食塩摂取量が多いことが分かった。

 にもかかわらず、減塩を実施している人の割合は、英国の10.3%、米国の14.7%に対し、日本は9.0%、中国5.8%と、欧米に比べて少なかった。

 主な食塩摂取源を調べたところ、日本では、しょうゆや味噌、つけものなどの加工食品が大部分を占めていた。

 三浦氏は、「日本ではかつて積極的な減塩対策が行われていたが、30代、40代の中には減塩の重要性を認識していない人もいる。今後は高血圧者だけでなく、国レベルなどで広く減塩指導を行うことが必要だ」と述べた。