小倉記念病院循環器科の曽我芳光氏

 下肢のインターベンション後にシロスタゾールを内服することで、治療部位の再狭窄を有意に減少させられることが分かった。小倉記念病院(北九州市)循環器科の曽我芳光氏が、d第72回日本循環器学会総会・学術集会のLate Breaking Clinical Trials 1で3月28日に発表した。

 試験は、多施設によるオープンラベルのランダム化比較試験で行われた。症例数は80例で、追跡期間は24カ月にわたって行われた。1次エンドポイントは、アンギオグラフィーによる6カ月後の再狭窄率血管最小径(MLD)、血管の遠隔期損失(late loss)とした。

 下肢動脈狭窄に対してバルーン形成術あるいはステント留置術を施行した患者に対し、通常の抗血小板薬治療(バルーン形成術後はアスピリン。ステント留置術後にはアスピリンとチクロピジン、ただしチクロピジンの投与期間は2〜4週間程度)にシロスタゾールを追加する群(シロスタゾール使用群)としない群(不使用群)に分けた。

 解析に用いたのは39例ずつの患者。患者背景に有意差は見られなかった。6カ月後にアンギオグラフィーを実施したところ、再狭窄率については、シロスタゾール使用群で38%、不使用群で46%と、有意差は見られなかった(p=0.49)。MLDについては、シロスタゾール使用群で2.11±1.06mm、不使用群は1.67±1.29mmで有意差は見られなかった(p=0.24)。late lossについても、シロスタゾール使用群で1.31±1.11mm、不使用群で1.60±1.36mmとなり、有意差は見られなかった(p=0.42)。つまり、1次エンドポイントについては、6カ月後の時点で統計学的有意差は認められなかった。

 ただし、2次エンドポイントである標的血管再血行再建(TVR)回避率については、インターベンション施行後2年時点で、シロスタゾール使用群で84.6%、不使用群で64.1%となり、有意差が認められた(p=0.0493)。また、主要血管事故(死亡、心筋梗塞、脳梗塞、血管再開通術、バイパス手術、下肢切断)の回避率についても、2年時点でシロスタゾール使用群は77%、不使用群は46%となり、有意差が認められた(p=0.003)。また、TVRの回避率は、サブ解析の結果、男性、あるいは血管径が5mm未満である場合に有効である傾向が認められた。

 曽我氏は、「これまで、下肢のインターベンション後にシロスタゾールを服用することの有用性はあまり報告されていなかった。今回の試験で、シロスタゾールが下肢インターベンション後のTVRの回避に有用なことが分かった」と語った。